研究課題/領域番号 |
20K08519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中島 拓 広島大学, 病院(医), 助教 (90643792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Aldehyde dehydrogenase / ALDH / 線維化 / 細胞治療 / 骨髄 / 肺線維症 / 酸化ストレス / 性差 / aldehyde dehydrogenase / 骨髄幹細胞 / 間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、様々な疾患に対して動物実験での有効性が確認された骨髄aldehyde dehydrogenase (ALDH)高発現細胞 (ALDHbr)の投与が、ヒト臨床試験で有効性を示さなかった原因を検証することを通じて、肺線維症に対して真に治療効果のある骨髄ALDHbr集団を明らかにすることを目的とする。 「疾患によって骨髄細胞の性質は変化する」という新たな視点に立ち、健常マウスと疾患マウス骨髄ALDHbrの性質および治療効果を確認する研究を計画している。本研究は、ヒト肺線維症を始めとした難病に対する新たな細胞治療への発展が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究課題において、我々は以下の3点を明らかとした。 1)骨髄ALDH高発現細胞(ALDHbr)の経静脈的投与によるマウス肺線維症改善、2)メス由来ALDHbrはオスと比較して酸化ストレス耐性を有し治療効果が高い、3)骨髄ALDHbrの線維化改善機序として抗酸化ストレス作用が重要である。 線維化期の投与で改善が確認されたため、ALDHbrはすでに発症したヒト肺線維症への臨床応用が期待される細胞治療ツールである。一方、効果には性差が明らかとなった。過去のALDHbrを用いた臨床試験においてマウス実験から期待されたほどの効果が認められなかったのは性差による効果の違いが関与している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においてLin―/ALDHbr治療により、ブレオマイシンの投与で発生する活性酸素種 (ROS)が抑制され線維化が抑制されるメカニズムを明らかとした。今日までいまだ有効な治療法のない肺線維症は、女性より男性に多く認められる。本研究によって得られた性差は、これらヒト臨床における性差と関連がある可能性がある。また、過去のALDHbrを用いた臨床試験においてマウス実験から期待されたほどの効果が認められなかったのは性差による効果の違いが関与している可能性があり、ドナーおよびレシピエントの性別に注意を払うことで過去に有効性を示すことができなかったALDHbr治療を再度見直す必要がある。
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