研究課題/領域番号 |
20K08530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 元誉 産業医科大学, 医学部, 教授 (40398243)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺損傷 / eR1 / 組織幹細胞 / basal stem cell / 組織修復 / 癌幹細胞 / 肺癌 / RUNX1 |
研究開始時の研究の概要 |
肺組織の急速な破壊が進む肺損傷疾患では、肺組織の修復・再生を促進させることが重要である。組織修復と再生には組織幹細胞が重要であることが報告されているが、呼吸器における組織幹細胞に関しては未だ不明な点は多い。Runx1は造血幹細胞のマスター遺伝子であるが、近年Runx1の発現を活性化するエンハンサーRunx1+24mCNE:eR1が発見され、eR1の活性化が様々な組織の組織幹細胞のマーカーとなりうることが報告された。本研究では、肺組織におけるeR1活性化細胞が肺組織幹細胞である可能性について検討し、eR1活性化細胞の制御を応用した新規肺損傷治療法開発にむけた基盤研究を展開する。
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研究成果の概要 |
eR1はRunx1の発現を制御しているエンハンサーであり、様々な組織幹細胞で活性化していることが知られている。本研究では、肺におけるeR1の活性化と肺組織幹細胞との関連について解析を行った。肺におけるeR1陽性細胞はCD44、OCT4、SOX2を発現している細胞であることを見出した。またeR1陽性細胞は通常状態では基底膜辺縁に存在し休眠状態にあるが、肺損傷時には増殖分化し肺組織の再生に関与することを明らかにした。以上の結果より、肺におけるeR1陽性細胞は肺組織幹細胞の一つである可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間質性肺炎の急性増悪期やALI/ARDSなどの肺損傷では、肺組織の急速な破壊が進んでおり、肺組織の修復・再生の促進はその治療において極めて重要である。また、組織修復には組織固有に存在する組織幹細胞の制御が重要であることが知られている。本研究では、Runx1の発現を制御するエンハンサーeR1を発現している細胞が肺組織幹細胞である可能性を見出した。eR1発現細胞の制御は新たな肺損傷治療法開発につながると考えられる。
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