研究課題/領域番号 |
20K08542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター (2022) 徳島大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
軒原 浩 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 呼吸器内科 医長 (00505919)
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研究分担者 |
大塚 憲司 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70776856)
三橋 惇志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (00833732)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 線維細胞 / 血管新生 / 免疫チェックポイント / ケモカイン / 薬剤耐性 / CXCLケモカイン / 血管新生阻害薬 / PD-L1抗体 / 非小細胞肺癌 / 間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
血管新生阻害薬は非小細胞肺がん患者に対して化学療法と併用して広く用いられている。しかし、血管新生阻害薬の耐性メカニズムの解明やバイオマーカーの同定は進んでいない。血管新生阻害薬の耐性において宿主から産生される線維芽細胞増殖因子が関与し、その産生細胞が線維細胞である。また、線維細胞は肺の病的線維化を促進する負の側面をもつ。本研究は、間質性肺炎合併非小細胞肺がんに対する血管新生阻害薬の有効性と安全性を検討する第Ⅱ相試験の附随研究として実施し、患者検体を用いて血管新生阻害薬の効果予測や耐性のバイオマーカー、及び間質性肺炎急性増悪のバイオマーカーとしての線維細胞の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
線維細胞はPD-L1を発現していること、抗原提示能を有し、抗PD-L1抗体によって抗原提示能が増強することを明らかにした。さらに、抗VFGF抗体は腫瘍浸潤線維細胞を増加させ抗腫瘍効果を増強させること、線維細胞は共刺激分子を高発現すること、腫瘍浸潤線維細胞の共刺激活性は抗PD-L1抗体によって増強されること、腫瘍周囲への線維細胞移植により抗PD-L1抗体の抗腫瘍効果を増強すること、腫瘍浸潤線維細胞がTGF-β/SMADシグナルを通じて筋線維芽細胞様の表現型を獲得することを明らかにした。一方、抗PD-L1抗体はCXCL10/11ケモカインの分泌を介して腫瘍血管新生を阻害することも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、血管新生阻害薬の効果予測や耐性のバイオマーカーとしての線維細胞の可能性を検討した。線維細胞に着目した血管新生阻害薬の有効性及び安全性に関わるバイオマーカー開発のアプローチは国内外ともに見当たらない。線維細胞の抗原提示細胞としての機能を明らかにしたこと、腫瘍浸潤線維細胞に対する抗PD-L1抗体による影響を明らかにしたこと、抗PD-L1抗体による腫瘍血管新生阻害することを明らかにしたことは、血管新生阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の効果予測や薬物耐性のバイオマーカー確立にも寄与する。さらには血管新生阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬の個別化治療や新たな薬剤の開発につながると考えられる。
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