研究課題/領域番号 |
20K08546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
党 雅子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90595597)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 気管支喘息 / 肥満 / 体脂肪率 / ステロイド抵抗性 / 酸化ストレス / 急性増悪 / 糖化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息治療は著明な進歩をとげたが、今なおコントロールに難渋する重症喘息患者が5~10%存在する。このような患者に対する新たな治療戦略の開発が急務である。肥満を有する重症喘息は注目を集めている喘息フェノタイプのひとつである。肥満の病態が喘息重症化に関与していることが知られているが、その詳細な機序は十分に解明されていない。本研究では、肥満者の血清中で増加がみられる蛋白に注目し、肥満を有する喘息患者におけるステロイド治療感受性の低下および重症化の機序を解明する。ひいては、肥満を有する重症喘息患者の新規治療のためのシーズを見出すことをめざす。
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研究成果の概要 |
気管支喘息患者のステロイド感受性をex vivoの系で測定し、これを修飾する肥満由来因子を検討した。高体脂肪率の喘息患者では、正常体脂肪率の患者と比較してステロイド感受性が低下していた。高体脂肪率の患者では、ステロイド感受性は、喘息発作回数および全身性酸化ストレスレベルと相関していた。よって、高体脂肪率の喘息患者のステロイド感受性低下が喘息増悪と関連していること、そして肥満由来の全身性酸化ストレスがステロイド感受性低下に関与している可能性が示唆された。さらに、末梢血単核細胞を用いたex vivoの検討で、メトフォルミンが、酸化ストレス抑制を介し、ステロイド感受性を回復させる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満は気管支喘息の重症化因子であることが臨床的に認識されており、また肥満合併喘息患者はステロイド治療への反応性が低下していることも知られている。しかし、その機序および対策についてはまだ十分なデータが得られていなかった。本研究では、高体脂肪率を有する喘息患者におけるステロイド感受性低下の機序として、肥満由来の全身性酸化ストレスの関与を明らかにした。また本研究の結果から、メトフォルミンは、酸化ストレス抑制を介して、高体脂肪率を有する喘息患者のステロイド感受性を回復させる可能性が示唆された。これらの結果は、肥満合併喘息患者の病態解明および新しい治療薬の開発の一助となることと考えられる。
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