研究課題/領域番号 |
20K08598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
緒方 浩顕 昭和大学, 医学部, 教授 (30296959)
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研究分担者 |
溝渕 正英 昭和大学, 医学部, 准教授 (90465203)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ビタミンD / ビタミンD受容体 / 尿毒症 / CKD-MBD / 心血管障害 / 心筋線維化 / FGF-23 |
研究開始時の研究の概要 |
CKD-MBDの主要な病態であるvitamin D代謝異常は心血管傷害を引き起こすことが多くの基礎、臨床研究が指し示すことである。in vitroや動物モデルでは確立されているVDRAの臓器効果が、臨床的には明らかに見られない原因は不明であり、大きな謎である。本研究は、尿毒症病態下では全身性VDRA投与が細胞・組織レベルにおけるVD-VDR活性化を抑制し、かえって局所におけるVD活性化障害を惹起することが全身性VDRA投与治療の問題ではないかという仮説に立脚して研究計画を作成した。まず、培養細胞からex vivoの検証を経て、動物モデルを用いて、至適なVDRA治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本課題は『尿毒症下の心血管細胞のauto/paracrine mechanismによるVD活性化調節の役割』を解明することであった。この着想に至った理由は、in vitro実験系、動物実験ではVD製剤投与による心血管保護作用が観察されるが、ヒトではVDの活性化障害が生じている慢性腎臓病においてvitamin D製剤投与による臨床的有益性がみられないことである。作業仮説として、VD投与によるVD受容体(VDR)活性化ないしはその下流にある細胞内シグナル伝達に、尿毒症病態下ではnegative regulatorが存在し、局所にVDR活性化による心血管保護作用を阻害していると考え、研究計画を立案した。 DOCA負荷高血圧マウスでは、VD-VDR活性化の保護効果がFGF-23発現増加のより阻害されることを見出し、その機序としてFGF-23によるVD活性化酵素、CyP27b1の抑制が重要であることを明らかにした。つまり、外因性VD製剤の投与は局所のFGF-23過剰発現によるCyP27b1活性化抑制に伴うVD活性化低下を惹起し、VDR活性化が抑制される可能性がある。腎亜全摘CKD、大動脈縮窄モデルにおいて、同様のFGF-23の過剰発現を介した局所のVD-VDR系に対するnegative regulationについての研究を行い、現在、データ解析を行なっている。この結果は今後、英文誌に投稿予定である。 COVID-19禍で基礎研究が進展させることが出来ない期間は臨床研究のデータセットを用いてCKD-MBDにおけるVD-VDR系活性化の障害の臨床的問題点を検証した論文をTher Apher Dial誌(IF2.2)に2編発表した。また、本研究の一連の結果を取り入れた総説がJ Atheroscler Thromb (IF 4.4)にアクセプトされた。
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