研究課題/領域番号 |
20K08679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
種瀬 啓士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 非常勤講師 (70464815)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / Hedgehogシグナル伝達経路 / GLI1 / 皮膚悪性腫瘍 / GLI / ヘッジホッグシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
先ず、悪性黒色腫被検者腫瘍検体における免疫染色でのGLI1蛋白質の評価、被検者血清における各種因子の検討、そしてそれらと臨床情報との相関性の検討を行う。次いで、悪性黒色腫細胞におけるHHシグナルの活性化がもたらす癌細胞生物学的検討を行う。更に、マウスXenograft 悪性黒色腫モデルにおけるHHシグナルの機能を検討し、これらの結果をもとに悪性黒色腫においてHHシグナルが活性化することの意義を報告する。
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研究成果の概要 |
悪性黒色腫に対しては近年種々の治療選択肢が得られているが、根治に至る症例は決して多くない。したがって、腫瘍が有する既存の治療標的とは異なる分子生物学的な特性を明らかにする必要がある。そこでHedgehogシグナル伝達経路(以下、HHシグナル)に注目し、その活性化を病理組織標本の免疫染色によって示す手段として、転写因子であるGLI1が核内に移行した染色像を得ることができる抗体を基底細胞癌組織を用いた検討で発見した。その抗体を用いて悪性黒色腫の腫瘍180例で検討したところ、30検体(16.7%)で腫瘍細胞のみならず周囲間質においても同シグナルが活性化していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性黒色腫ではMAPKシグナル伝達経路やAKTシグナル伝達経路、Wnt-βカテニンシグナル伝達経路が主なシグナル伝達経路として報告されており、これらを標的とした治療が社会実装もしくは開発段階にあるが、これらの治療をもってしても腫瘍が消退しない症例が少なからず存在する。本検討の結果、悪性黒色腫の一部の症例ではHHシグナルが活性化していることが確認でき、既知の悪性黒色腫で活性化しているシグナル伝達経路以外のシグナル伝達経路を標的とした治療開発が必要であることが示唆された。
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