研究課題/領域番号 |
20K08683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
宮垣 朝光 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (50582003)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 皮膚悪性リンパ腫 / Cyclophilin A / CD147 / IL-34 / PD-1 / 自己分泌因子 / 腫瘍微小環境 / 免疫チェックポイント分子 / PD-L1 / VISTA / LAG-3 / CSF-1R / cyclophilin A / 皮膚T細胞リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、皮膚悪性リンパ腫患者の末梢血中の腫瘍細胞や免疫担当細胞、血清、病変部皮膚組織などの臨床検体、リンパ腫細胞株を用いたin vitroの系を用いて、腫瘍微小環境を形成している液性因子、免疫チェックポイント分子、自己分泌している可能性のある分子の発現、機能を解析する予定である。最終的には、免疫不全マウスにリンパ腫細胞株を接種するあるいはマウスT細胞リンパ腫細胞株を野生型マウスに接種するin vivoの系にて、それらの分子をターゲットとした治療(中和抗体や刺激抗体)の有効性を評価することを目指す。
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研究成果の概要 |
皮膚T細胞リンパ腫の腫瘍細胞がCyclophilin Aを産生し、同腫瘍細胞上のCD147を介して、オートクリン様式で、自身の増殖を促すことを見出し、その相互関係を破綻させることが新たな治療戦略になると考えられた。 また、セザリー症候群の腫瘍細胞がTh2優位の免疫環境を構築するサイトカインであるIL-34を発現し、血清IL-34値が上昇していることも見出した。これにより、IL-34の作用を抑制することが新たな治療戦略になると考えられた。 さらに、皮膚T細胞リンパ腫の腫瘍細胞は、PD-1、PD-L1の双方を発現しており、それらの相互関係が腫瘍の増殖に何らかの影響を与えていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮膚T細胞リンパ腫では、腫瘍細胞の種類や浸潤形態などで異なるが、多剤併用化学療法を含めた複数の治療に抵抗性があり、診断確定後数年以内に死亡するケースも少なくない。近年、このような進行例、難治例に対して、複数の新規薬剤が使用されるようになってきたが、造血幹細胞移植以外に長期コントロールを達成できる治療法は未だなく、新規治療法が切に求められている疾患である。本研究では、複数の新規治療戦略、治療標的を見出すことができ、将来的に難治性患者に新たな治療を提供する礎となるような発見ができたと考える。また、同様の機構が、他のT細胞リンパ腫で見られる可能性があり、新規研究にも繋がりうると考えられる。
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