研究課題/領域番号 |
20K08690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
橋本 登 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (90712365)
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研究分担者 |
加納 史也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (40801626)
杉浦 一充 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70335032)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 乳歯歯髄幹細胞 / Siglec-9 / T細胞 / 炎症性皮膚疾患 / Atopic dermatitis / 乳歯歯髄幹細胞培養上清 / マクロファージ / CD4+T細胞 / 乾癬 / 抗炎症 / 皮膚バリア / 皮膚炎 / 組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎は若年期から発症する炎症性皮膚疾患である。発症メカニズムは主にヘルパーT細胞とIgEの産出が関与している。治療法としてはステロイド剤が有効とされているが、その副作用や効果には課題が多い。申請者達は細胞移植を伴わない幹細胞治療法としてヒト乳歯歯髄幹細胞の培養上清に含まれる分泌型シアル酸結合レクチンsSiglec-9が様々な炎症性疾患に対する抗炎症・組織再生効果があることを示してきた。本申請課題では、皮膚バリア機能再生を標的とした次世代のアトピー性皮膚炎治療薬としての情報的基盤の樹立を目指すために、sSiglec-9の抗炎症・皮膚バリア再生効果を検討し、その作用機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
研究代表者たちのグループはヒト乳歯歯髄幹細胞培養上精(SHED-CM)とそこに含まれる分泌型Siglec-9等が種々の炎症性疾患の病態を改善することを報告してきた。本研究ではOvalbumin反復貼付アトピー性皮膚炎(AD)モデルマウスに対しSHED-CMを投与したところ皮膚病態の改善が見られた。SHED-CM投与により皮膚組織におけるT細胞を有意に減少させた。一方で、制御性T細胞(Treg)が増加し、かつIL-4発現が抑制されておりTregがAD病態関与Th2細胞を抑制していることが考えられた。効果因子についてSHED-CM中のLC/MS解析を行い効果因子の同定をおこなっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎の発症・進展のメカニズムは未解明な点が多く重篤な症状に対する有効な治療法は少ない。免疫抑制分子、細胞を効率よく誘導することができる手法は炎症性疾患の治療において重要な課題である。SHED-CMに含まれるsSiglec-9等のT細胞を標的としたAD病態改善効果とその詳細な分子機構が明らかになることは新たなT細胞制御機構の解明につながると考えている。さらにその知見を元にした抗炎症と再生の多面的な効果メカニズムは次世代のAD治療薬開発の情報基盤となることが期待される。
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