研究課題/領域番号 |
20K08694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 昭和大学 (2021-2023) 横浜市立大学 (2020) |
研究代表者 |
猪又 直子 昭和大学, 医学部, 教授 (20347313)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アニサキスアレルギー / アレルギー / アナフィラキシー / アレルゲン / 予防 / 食物アレルギー / 蕁麻疹 / アニサキス / 低アレルゲン化 / 魚アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
アニサキスアレルギーは、アニサキスに寄生された魚類を経口摂取することによって発症するI型アレルギーであり重症例も多い。成人食物アレルギーの第2位を占める魚アレルギーも、本態はアニサキスアレルギーではないかと近年考えられている。我が国の食文化から生魚の摂取の完全禁止は難しいため、次善の策として再発予防策の確立が重要になる。 本研究では、アニサキスの低アレルゲン化を検討する。アニサキスアレルゲンの中から臨床的意義の高いものを同定した上で、様々な加工処理を施し、アレルゲン性低減化を評価する。本研究の成果は、食事指導のエビデンスの基礎となり、アニサキスアレルギーの再発予防策の確立に寄与するものと考える。
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研究成果の概要 |
本研究は、アニサキスアレルギーに関する研究であり、種々の加工処理を施したアニサキスの抽出液を作成し、イムノブロットや好塩基球活性化試験、皮膚試験(プリックテスト)によってアレルゲン性を評価した。その結果、加熱や加圧によりアニサキスのアレルゲン性が低下する傾向がみられ、特に140℃以上の加熱ないし加圧ではその傾向が顕著であった。一方、冷凍処理(-80℃まで、24時間)では低減化する傾向は確認できなかった。また、アニサキス抽出液中の主要アレルゲン含有量の半定量解析では、加工処理のレベルによりアレルゲン含有量に変化が生じることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、アニサキスアレルギーにおいて、加工処理によるアレルゲン性の変化について十分解析されておらず、どの程度加工したものであれば経口摂取できるかは明らかではなかった。本研究成果は、アニサキスアレルゲンの低減化に関する新たな知見となった。同時に、本研究成果は、アニサキスアレルギー患者に対して、熱や加圧などの加工処理によるアレルゲンへの反応性を確認する検査方法の提案、およびその検査結果に基づいた必要最小限の除去指導の一助になることが期待される。今後、さらなる低アレルゲン化法の確立を目指しながら、アニサキスアレルギー患者のQoL向上に貢献できるように努める予定である。
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