研究課題/領域番号 |
20K08708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石山 謙 金沢大学, 附属病院, 講師 (60377380)
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研究分担者 |
細道 一善 金沢大学, 医学系, 准教授 (50420948)
中尾 眞二 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70217660)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 再生不良性貧血 / トロンボポエチン受容体作動薬(TPO-RA) / ロミプロスチム / 体細胞遺伝子変異 / クローン性造血 / miniscule PNH顆粒球 / クロナリティ / minute PNH顆粒球 / トロンボポエチン受容体作動薬 / WT1 / 血液免疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
トロンボポエチンレセプター作動薬(TPO-RA)によって回復した再生不良性貧血患者の造血の質を明らかにするため、免疫学的攻撃に対する感受性に影響を与えるHLA遺伝子変異とIFN-γ受容体シグナル分子の変異などの体細胞変異の有無、ヒト造血幹前駆細胞(HSPC)のDNA修復に及ぼすROMIの効果、ロミプロスチムによって誘導される“エスケープHSPC”によるクローン性造血のメカニズム、等を明らかにする。
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研究成果の概要 |
トロンボポエチン受容体作動薬(TPO-RA)であるエルトロンボパク(EPAG)またはロミプロスチム(ROMI)が奏効した再生不良性貧血(AA)患者において、体細胞変異クローンの出現や既知変異クローンの拡大の有無を検討した。TPO-RAを2年以上投与された41例中9例(21.4%)でASXL1、RUNX1変異を含む体細胞変異と染色体の構造異常が認められ、複数の体細胞変異を認めた2例と、ASXL1のフレームシフト変異を認めた1例の計3例は骨髄異形成症候群に移行した。体細胞変異の検出頻度は既報と比べてほぼ同等であることから、体細胞変異クローンがTPO-RAによって拡大する可能性は低いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽症AAに対する一次治療はシクロスポリンであるが、効果が不十分な症例に対してはTPO-RAの追加がガイドラインで推奨されている。また、重症AAに対する一次治療では、従来行われてきた免疫抑制療法にTPO-RAを併用することによって治療成績が向上することが報告されている。しかし、TPO-RAによって体細胞変異を起こした造血幹細胞が増殖する可能性があるため、若年者に対するTPO-RA使用は躊躇される傾向があった。本研究成果により、軽症AA症例においてもTPO-RA療法が積極的に使用されるだけでなく、若年の重症AA症例に対する免疫抑制療法にもTPO-RAが躊躇なく使用されるようになることが期待される。
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