研究課題/領域番号 |
20K08713
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
谷本 一史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (40724779)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | キメラ抗原受容体T細胞 (CAR-T細胞) / 原発性骨髄線維症 / CALR / MPL / 骨髄増殖性疾患 / CAR-T療法 / 免疫細胞療法 / 腫瘍免疫 / 移植・再生医療 / 細胞療法 |
研究開始時の研究の概要 |
原発性骨髄線維症(PMF)の病態に深く関与するCalreticulin (CALR) の遺伝子変異CALRmutとトロンボポエチン受容体であるMPLは、他のSTAT系の遺伝子異常と排他的な関係性を持っており、PMF患者に特異的な標的となり得る。PMFに対する新たな細胞免疫療法として、PMF患者に多く発現するCALRmutのHLA上のCALRmut由来ペプチドあるいはMPLと結合したCALRmut-MPL複合体の細胞外ドメインを標的とする新たな免疫細胞療法を確立し、造血幹細胞移植がを受けられないPMF患者に対する新たな治療戦略の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
原発性骨髄繊維症(PMF)に対する新規細胞免疫療法の開発のため、PMF患者の細胞表面に発現する、変異calreticulin(mCALR)とMPLの複合体を標的とした治療法の研究を行った。MPL遺伝子とmCALR遺伝子を導入し、細胞表面にMPL/mCALR複合体を表出する標的細胞株を作成し、MPL/mCALRを特異的に認識するCAR-T細胞を作成し、標的細胞との反応性を確認した。結果は、mCALR特異的CAR-T細胞は標的細胞を抗原特異的に認識し活性化する事が明らかとなった。これらの結果より、mCALRを標的としたPMFの治療として、CAR-T療法は有効な治療となり得る可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血不全や急性白血病へ至る疾患の一つであるPMFは、高齢者に発症する造血器悪性疾患であり、多くは同種移植の適応とならず予後不良である。今回我々が新しく開発した、mCALR/MPLを標的としたCAR-T細胞療法は、従来の治療とは異なる方法で、PMFの治癒を目指す治療法である。すでにいくつかの造血器腫瘍に対してCAR-T細胞療法が用いられているが、PMFを始めとする骨髄増殖性疾患に対して、疾患・細胞特異的な分子を標的とする、より効果的な一本鎖抗体およびCAR-T細胞を用いることで、従来治療困難であった移植非適応の高齢者造血器腫瘍患者に、有望な治療選択肢として提供できる新規治療法となる可能性がある。
|