研究課題/領域番号 |
20K08728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 やえ子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50749497)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PRC1 / PCGF1 / Emergency myelopoiesis / GMP / ポリコーム群抑制複合体 / Pcgf1 / emargency myelopoiesis / ポリコーム / HOXA9 / PRC1.1 / emergency myelopoiesis / 細胞死 / ストレス造血 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリコーム群複合体 (PRC)はヒストン修飾を介して転写を制御するエピジェネティック因子であり、造血幹細胞機能の維持に重要な役割を担う。申請者らは、非定型PRC1の一つであるPRC1.1の構成因子であるPcgf1の欠損マウスの解析から、PRC1.1が骨髄球分化を抑制的に制御し、その機能不全により造血幹・前駆細胞の分化が骨髄球分化に著しく偏ること、さらに感染や炎症によって誘導される骨髄球増多反応や細胞死制御において重要な機能を有する知見を得た。本研究では、定常造血から骨髄球増多反応への造血細胞分化の切り替えと、感染や炎症時の造血細胞死誘導におけるPcgf1の生理的役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ポリコーム群抑制複合体(PRC)1は、H2AK119のモノユビキチン化を介して幹細胞分化を制御する。本研究では、Non-canonical PRC1であるPRC1.1が、造血幹・前駆細胞でのC/EBPa依存的な骨髄球分化と、GMPにおけるHOXA9-βカテニンによるself-renewingネットワークを抑制することにより定常時における造血細胞分化バランスを保つ一方で、緊急時にはその機能が一過性に阻害されることでGMPクラスター形成が亢進し緊急時骨髄造血が促進されることを明らかにした。つまりPRC1.1は緊急時造血の重要な制御因子であり、その制御不全が骨髄球の形質転換につながることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりPRC1.1は、定常時と緊急時の造血を調整し、骨髄細胞の悪性化を防ぐという重要な役割を担っていることが明らかとなった。このPRC1.1の新規機能の発見は、骨髄球系疾患の治療戦略として、PRC1.1を標的とすること、つまりPRC1.1の一時的な機能阻害を行うことで、緊急時造血を一過性に誘導し、骨髄球系細胞の供給力を高めるとともに、骨髄細胞の悪性化リスクを回避することができる新規のアプローチとしての応用の可能性を示すものである。
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