研究課題/領域番号 |
20K08755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 康雄 九州大学, 大学病院, 助教 (90573345)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CD35 / 白血病幹細胞 / 補体経路 / 治療標的 / 治療抵抗性 / 補体制御因子 / 補体系 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、造血幹細胞分画中に補体制御分子であるCD35を発現する亜集団の存在を同定し、定常状態での高い未分化性と補体活性化状態を引き起こすストレス環境への高度耐性を明らかにした。この細胞集団を起源とするCD35陽性白血病幹細胞(leukemic stem cell; LSC)が存在すれば、化学放射線治療への抵抗性・再発に寄与することが想定される。本研究によりストレス耐性が高い分画としてCD35陽性LSCの存在が示された場合には、同分画を標的とする新規治療候補分子を抽出し、難治性白血病の治療成績向上に寄与することを目指す。
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研究成果の概要 |
白血病幹細胞(LSC)分画の28.8±11.3%にCD35陽性亜分画の存在が確認され、これらは既知のLSCマーカーであるTim3+分画に濃縮された。フローサイトメトリーで純化したCD35+/-LSC分画を用いて施行した補体結合アッセイでは、CD35+分画で補体結合が少ない傾向が見られたものの、その他の解析では両者に有意差を認めなかった。 遺伝子発現や蛋白発現を比較解析し、CD35陽性分画の機能的特徴や治療標的となる特定の分子・シグナル経路などの存在を明らかにする必要がある。また再発症例の検体を用いた解析を追加し、CD35発現が臨床経過に与える影響に関し検証していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が造血幹細胞マーカーとして見出したCD35の発現は、白血病幹細胞(LSC)分画にも見出された。既知のLSCマーカーであるTim-3との共発現パターンから機能的なLSCの分離・純化に有用であると考えられ、今後のLSC研究に利用可能な有意義が結果が得られたものと考えている。一方で、研究期間内には治療法開発に直結するデータの創出には至らず、CD35+Tim-3+LSCでより特異的に発現する分子や特徴的なシグナル経路の抽出など、実臨床への応用に向けた研究継続の必要性を認識している。
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