研究課題/領域番号 |
20K08765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
山形 和恒 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (70311412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / 予後不良化 / SREBF1 / 脂質代謝 / 分子標的 / スクリーニング / MLL-ENL |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、AMLの分子標的を単離するスクリーニング系の構築、及び分子標的の取得を目的とする。特徴は、1)白血病発症能をconditionalにオフにできるマウスMLL-ENL flox AML細胞を用いて、MLL-ENLが発現制御する遺伝子を同定する。2)その中からTCGA LAMLの遺伝子発現と臨床データを用いて高発現すると予後不良化する遺伝子を同定し、3)その中からCRISPR/Cas9法を用いてマウスとヒトAML細胞の生育に必須の遺伝子を同定する事の3点からなる。単離された遺伝子は、高発現すると予後不良化因子として働きAML細胞の維持に必須な因子である事が期待され、分子標的の候補となる。
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研究成果の概要 |
マウスMLL-ENL白血病細胞を用いたCRISPR/Cas9スクリーニングが終了し、分子標的候補遺伝子を102遺伝子中21遺伝子に絞った。その中から、脂質代謝を制御する転写因子SREBF1に注目した。これまでに、SREBF1が様々なタイプのAML細胞のin vitroでの生育とin vivoでのAML発症に必須である事が明らかとなった。SREBF1はAKT/mTOR経路を活性化し、TGF beta/SMAD経路を抑制していた。SREBF1は脂質代謝を制御する事によって、細胞膜上のlipid raftの機能を促進する事により、これらシグナル経路を制御する事が推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AMLの予後不良群に罹患した患者は、5年生存率が20%前後とされ未だに治療が困難である。本研究課題を通じて、AMLの発症や予後不良化を促進する因子を複数単離した。これらの因子、もしくはこれら因子が関与する経路は、予後不良AMLの新規分子標的となり得る点に社会的意義がある。一方、それら因子から、SREBF1に注目して解析を行なっている。その結果、SREBF1が脂質代謝を促進する事によって、造血前駆細胞のAML細胞化、又はAML細胞の予後不良化を促進する事が明らかとなった。脂質代謝が、原因としてAML発症及び予後不良化に寄与する事を示してた点に学術的意義がある。
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