研究課題/領域番号 |
20K08769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩村 千秋 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (10513062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プロテオグリカン / セルグリシン / COVID-19 / 炎症性肺疾患 / 線維化 / 慢性炎症 / アレルギー性気道炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、臓器の炎症慢性化から線維化への移行に注目し、その作用機序の詳細を分子細胞免疫学の観点から解析する。申請者は、喘息発症モデルマウスに肺組織に線維化を誘導したとき、プロテオグリカンの一種であるセルグリシンが有意に発現し、線維化に到るまでその発現は持続し増強することを確認した。また、Th2細胞におけるセルグリシンタンパクの発現を確認している。これらの結果を併せて、Th2細胞におけるセルグリシンの発現と、炎症性病変の維持増悪に何らかの関連性を推測している。細胞外マトリックスによる炎症性免疫応答の修飾機能を解明し、病態制御機序を理解することは、新たな慢性炎症疾患の治癒創薬に繋がると考えている。
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研究成果の概要 |
プロテオグリカンの1つであるセルグリシンの炎症反応における役割を検証するために、セルグリシンノックアウト(KO)マウスを作成した。アレルギー性気道炎症反応などはセルグリシンKOマウスで低下したことから、セルグリシンが炎症反応の誘導に重要であることがわかった。CD4+T細胞特異的にセルグリシンを欠損させても炎症反応は低下しなかった。このことは別の免疫細胞が放出するセルグリシンが炎症の惹起に関与することを示している。また好酸球性副鼻腔炎のポリープに浸潤している細胞や、重症COVID-19患者の末梢血単核球中にも高い発現が認められたことから、ヒトの炎症性疾患にも関与することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アレルギー性疾患や自己免疫疾患などの慢性炎症性疾患は、その根治が難しく、また炎症が遷延化するほど、組織線維化などの臓器の機能障害を引き起こすことがある。炎症を引き起こす機序として、これまで様々な炎症性細胞やそれらが産生するサイトカインについて解析がなされてきた。本研究では炎症性細胞が出すプロテオグリカン(セルグリシン)が炎症の誘導に関与することを明らかにしている。すなわち、慢性炎症性疾患に対し、これまでとは異なる治療アプローチの開発に寄与する可能性があり、本研究成果は社会的な意義があると考えられる。
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