研究課題/領域番号 |
20K08780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
片桐 一元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00204420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エストロゲン / 接触皮膚炎 / ハプテン / IL-4 / アトピー性皮膚炎 / アナフィラキシー / アロネーシス / 乾癬 / 接触過敏反応 / contact hypersensitivity / 卵白アルブミン / 性ホルモン / 経皮感作 / 食物アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
接触皮膚炎および食物アレルギーは増加傾向にあり、疫学調査では女性での発症頻度が高い。一方、クロムに対する接触皮膚炎は男性に多く、乳児期の食物アレルギーは男児に多いことも知られている。しかしながら、このような性差が生じるメカニズムは全く明らかにされていない。我々は、エストロゲンがTSLP発現誘導を介して接触過敏反応あるいは蛋白抗原の経皮感作を増強する可能性を見出し、精巣摘出でも経皮感作が増強された。 本研究では、性ホルモンが接触皮膚炎およびタンパク抗原での経皮感作に及ぼす影響を、樹状細胞を活性化する表皮由来サイトカイン:TSLPの機能を中心に明らかにし、皮膚・アレルギー疾患の発症予防に繋げたい。
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研究成果の概要 |
女性ホルモン、中でもエストロゲンが接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚症状に強い影響を及ぼすことが推測されているが、そのメカニズムは不明である。本研究により、エストロゲンが接触皮膚炎の感作相を増強するが、惹起相への影響は原因物質により異なり、IL-4の産生抑制と関連して抑制する場合と抑制しない場合があることが判明した。また、卵白アルブミンを用いたアトピー性皮膚炎モデルではエストロゲンが炎症を抑制したが、アナフィラキシー反応を増強した。加えて、卵巣摘出マウスを用い、アトピー性皮膚炎につながる「乾燥肌モデルでのアロネーシスのメカニズム」「乾癬モデルのエストロゲンでの炎症抑制」を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エストロゲンの接触皮膚炎の感作相への増強作用は、接触皮膚炎が女性に多いことを反映し、ハプテンによる違いはその頻度が原因物質により異なることと一致している。また、アトピー性皮膚炎へのエストロゲンの炎症抑制作用は重症患者が男性に多く、女性に少ないことを反映し、同時に観察されたアナフィラキシー反応の増強作用は、アナフィラキシー反応が女性に多いことと関連している。さらに、本研究から派生的に発見した、アロネーシスのメカニズム、およびエストロゲンによる乾癬炎症の抑制も含め、本研究は、これらの疾患の病態解明につながり、実臨床において生じている現象を理解しやすくし、発症や重症化の予防に役立つと考える。
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