研究課題/領域番号 |
20K08786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
松下 一史 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20581549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 慢性アレルギー / 気道炎症 / Th2 / ILC2 / IgE / アレルギー性気道炎症 / 好酸球 / IL-33 / 慢性気道炎症 / アレルギー / 肥満細胞 / 2型自然リンパ球 / Th2細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
長期間抗原に曝露されることによって起こる慢性アレルギー性気道炎症では、自然免疫と獲得免疫の活性化が複雑に関与することで非常に治療が困難な病態を作り上げている。免疫調節分子Regnase-1はRNAの安定性を制御することにより、様々な細胞種の活性化を制御する分子である。本研究ではこのRegnase-1の分解制御に着目することにより、慢性アレルギー疾患に関わる様々な細胞種(2型自然リンパ球、Th2細胞、肥満細胞など)の活性化を制御する方法を検討する。本研究はRegnase-1の分解制御をコントロールすることで慢性アレルギー性気道炎症を抑制することを目標とする。
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研究成果の概要 |
アレルゲンの長期曝露により起こる慢性アレルギー性気道炎症はアレルゲン曝露がなくなっても炎症症状が持続する。本研究ではRNaseとして免疫調節作用をもつRegnase-1の分解抑制を介して、慢性アレルギー性気道炎症をコントロールできないか検討した。その結果、Regnase-1 AAマウスは野生型マウスと比べて好酸球浸潤やIgE産生といったアレルギー性炎症が軽微であり、またアレルゲン曝露終了後、特に盃細胞の過形成が顕著に早期に消失していった。さらに、アレルゲン曝露終了後、肺のIL-5/IL-13産生性ILC2/Th2細胞の割合が上昇したが、AAマウスでは野生型マウスに比べてこれらも軽微であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気道へのアレルゲンの長期曝露により、内因性の炎症性サイトカインの産生→2型免疫細胞の活性化による負のスパイラルが形成され、炎症の悪化、症状の持続へとつながるものと考えられる。IKK依存的なRegnase-1の分解を抑制することにより、IL-33誘導性の2型自然リンパ球(ILC2)やTh2細胞の活性化が抑制されることにより、これらの負のスパイラルを停止し、炎症の抑制、回復の促進へとつながるものと考えられる。本研究により、Regnase-1の分解を抑制することで慢性アレルギー性気道炎症の発症を抑制、または発症後の回復を促進しうる可能性が示された。
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