研究課題/領域番号 |
20K08818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
齋藤 良一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00581969)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 髄膜炎菌 / 侵襲性髄膜炎菌感染症 / ペニシリン系薬耐性 / ペニシリン結合タンパク質 / フルオロキノロン系薬耐性 / 薬剤耐性菌 / ペニシリン系薬耐性化 / penA遺伝子 / 第三世代セファロスポリン系薬 |
研究開始時の研究の概要 |
侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)は重症度が高く、集団感染事例も多いため公衆衛生的に注視される疾病である。海外では髄膜炎菌のペニシリン系薬(PC)耐性化や第三世代セファロスポリン系薬(3GC)耐性株が確認されたが、本邦での実態把握は不十分である。本研究では、本邦初となる大規模なIMD患者由来髄膜炎菌のPC及び3GC薬剤感受性データを構築する。さらにPC耐性株の遺伝学的特徴やPC耐性化に関わる分子機構を明らかにする。以上より、本邦のIMD治療に有益な情報を提供できる。またPC耐性株発生の制御に繋がる、PC耐性化機構を含めた髄膜炎菌の特性をさらに理解することができる。
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研究実績の概要 |
今年度は先ず、pubMLSTデータベースを基にペニシリン(PEN)非感性株(中間耐性と耐性)が有するPEN結合蛋白2遺伝子(penA)プロファイルを解析した。PEN非感性株(MIC > 0.25 mg/L)でpenAが同定済み132株において、37種のアレルパターンが同定され、それらは大きく3クレードに分類されることを見出した。また本研究で同定したPEN耐性株(4株)はpenA9およびpenA33に属したのに対し(前年度に報告済)、PEN中間耐性株(37株)ではpenA22(29株)が最も多く、次いでpenA1(6株)に属した。一部のPenAではA510V、I515V H541N、I556Vなど、PEN耐性化と関わる既知アミノ酸置換を有することも確認された。一方、海外で注視されるROB-1ペニシリナーゼ産生株は確認できなかった。以上の成果はMicrobiology Spectrum誌に投稿後、受理された。 一方、前年度までにシプロフロキサシン(CIP)耐性化がGyrAのT91Iアミノ酸置換に関わることを本課題使用菌株でも確認できたため、その簡便識別法の構築を試みた。サンガーシーケンスを利用しないPCR-RFLP検出系を開発し、その成果がFrontiers in Cellular and Infection Microbiology誌に受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定した研究をほぼ全て終了し、その成果が英文論文として受理されたのに加え、本研究の過程で同定されたCIP耐性株の簡易検出系に関わる英文論文も受理されたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題を更に発展させるため、国内で流行するPEN・CIP同時耐性株が莢膜非産生であることに着目し、それらの迅速識別が可能な血清型別測定系の構築を進める。また国内外の学会において研究成果を広く周知する。
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