研究課題/領域番号 |
20K08822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
水上 修作 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (00508971)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | iPS cell / dengue / protein processing / liver cells / dendritic cells / デング熱 / ワクチン / 免疫 / 細胞性免疫 / タンパク質分解 / 抗原提示 / エピトープ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、デング熱ワクチン開発においては、T細胞が主に働く細胞性免疫の重要性が指摘されている。細胞傷害性T細胞は、抗原提示細胞(APC)上に発現する主要組織適合抗原クラスIと(ウイルス由来の)ペプチドエピトープの複合体を認識して活性化し、同じ複合体を持つ標的細胞を傷害する。しかし、エピトープは複雑な細胞内のタンパク質分解により作られるため、APCと標的細胞が同じ配列を生み出すとは限らない。 本研究では、ウイルスに感染したiPS細胞由来のAPC及び標的細胞上のエピトープを解析する。両者ともに提示される配列は、高い防御免疫誘導能が期待されるため、本研究の結果は優れたワクチン開発に寄与すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、デング熱に効果的な細胞性免疫を誘導するウイルス由来ペプチドの同定を、ウイルス感染肝細胞・樹状細胞から回収されたペプチド配列の比較で目指すこととした。 その際、既に情報を有していたその他の細胞等の調製とは異なり、実験に必要な大量の肝細胞の準備に足る実験系の構築に時間を要した。結果として、従来の樹立方法と異なり分化途中での凍結融解を含む新たな樹立方法を構築した。 今回、デングウイルス感染実験とその後の解析に至らなかったため、自己資金等で計画を続行予定である。構築した新たな肝細胞株誘導法は、肝臓を標的とする多くの疾患の研究に有用である。そのため、幅広い研究に貢献できる成果が得られたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当初の目的であったデング熱に対して有効な細胞性免疫を誘導するペプチド配列(エピトープ)パターンの同定には、計画期間中に至ることが出来なかった。 一方、副産物としてではあるが、iPS細胞からの新たな肝細胞株樹立方法を構築し、論文等による成果公表を準備中である。これは、デング熱のみならず肝臓が感染部位となる多くの感染症を含む疾患の研究に活用可能な技術であり、学術的意義と社会的な意義を有すると考える。
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