研究課題/領域番号 |
20K08844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
腰塚 哲朗 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20416267)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サイトメガロウイルス / Nedd4 family / ユビキチン化 / 免疫回避 / オートファジー / タンパク質分解 / 先天性感染 |
研究開始時の研究の概要 |
胎児期にサイトメガロウイルス(CMV)の感染により児は難聴や精神発達遅滞といった神経学的症状を含む先天性障害を引き起こす場合がある。申請者はこれまでにCMVが宿主ユビキチンE3リガーゼを制御する分子(UL42)を持つことを明らかにした。さらに、UL42が神経細胞におけるオートファジーを阻害する可能性を見出した。オートファジーは飢餓状態での栄養確保だけでなく、感染初期に誘導され病原体を消化することで感染防御の一端を担う。UL42によるオートファジー制御メカニズムを明らかにし、CMVが持つ既知のオートファジー制御因子の作用機序と比較・整理し、in vivoにおける感染回避機構の解明につなげる。
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研究成果の概要 |
本研究はサイトメガロウイルス(CMV)が持つ遺伝子産物の機能解明を通して、ウイルスが宿主細胞を乗っ取る仕組みを明らかにすることを目的として実施した。ヒトCMV UL42遺伝子産物は宿主ユビキチンリガーゼNedd4ファミリーの機能を制御し、ウイルスや宿主細胞が持つタンパク質の働きを制御する。この点について、ウイルスが持つ主要な糖タンパク質であるgBのユビキチン化を制御し、安定性を高めることを明らかにした。宿主側タンパク質の制御については現在詳細な検討を進めており、ウイルスの細胞内、生体内における増殖能や免疫回避に関連する可能性があると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CMVは200を超える遺伝子を保持しており、これらを利用して宿主細胞をウイルス増殖に適した環境に作り変える。これによりウイルスは自身の増殖を可能とし、免疫応答を回避する。本研究で主な解析対象としたUL42は宿主ユビキチンリガーゼの活性を制御することで、ウイルス側分子の安定化や免疫関連分子機能を阻害といった多様な機能を担う可能性があることを明らかにした。本研究の成果は、ウイルスが宿主細胞を乗っ取り、免疫を回避し、発症に至る過程を理解するために重要であり、新規抗ウイルス化合物の標的となる可能性がある。
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