研究課題/領域番号 |
20K08848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
中村 茂樹 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (20399752)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺炎球菌 / 鼻咽頭定着 / 感染免疫 / NKT細胞 / 線毛タンパク / ワクチン / 線毛 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は肺炎球菌感染症発症の第一段階である鼻咽頭定着に焦点をあてており、肺炎球菌感染症の発症そのものの制御に直結する独創的な研究である。肺炎球菌の鼻咽頭クリアランス機構とNKT細胞の関連性について詳細に検討された報告はなく、学術的新規性が高い。また本邦で鼻咽頭定着マウスモデルを用いた粘膜免疫研究を行っている研究者は極めて少なく独自性が高い。さらに鼻咽頭定着の制御に着目した予防法は、感染症の発症・重症化の予防のみならず集団内伝播をも抑制し、肺炎球菌感染症を克服できる可能性があり、将来の臨床応用と医療福祉への貢献が期待できる。
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研究成果の概要 |
肺炎球菌上気道免疫の病態解明においてNKT細胞と肺炎球菌の線毛タンパクに着目した。鼻咽頭定着実験を行ったが、NKT細胞KOマウスと野生型マウスと比較し定着菌数に有意差は認めなかった。またNKT細胞のリガンドであるα-GalCerを投与したが、非投与群との間で定着菌数に有意差は認められなかった。次に線毛piliの粘膜接着における役割を解析するためのpili欠損株の作成、およびワクチン抗原として使用するためのpiliタンパクのクローニング・精製作業を行なった。 今後の方針は、精製タンパクでマウスを免疫し特異的抗体量を測定、免疫したマウスの鼻咽頭定着菌数の評価、線毛遺伝子破壊株の機能解析を行う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎球菌感染症において鼻咽頭定着は感染症発症の第一段階として極めて重要である。また無菌環境の下気道とは異なり、鼻咽頭は常在細菌叢が存在するため、粘膜免疫応答もまた異なる。本研究は、鼻咽頭免疫の詳細を解明し、新たな同定した宿主因子および細菌側因子を介して粘膜免疫を活性化することで肺炎球菌の定着を抑制し、感染症の発症そのものを制御できる点で、既存のワクチンとは異なる新規性の高い予防法であり学術的意義は高い。また表層タンパクをワクチン抗原に使用するため莢膜型に依存することのない全肺炎球菌型の予防ワクチン開発につながる可能性があり、社会的意義も高い。
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