研究課題/領域番号 |
20K08871
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
後藤田 貴也 杏林大学, 医学部, 教授 (60322062)
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研究分担者 |
山本 隆史 杏林大学, 医学部, 学内講師 (00572033)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キヌレン酸 / 糖代謝 / ノックアウトマウス / キヌレニン / グルコキナーゼ / メタボリックシンドローム / KAT / SHR |
研究開始時の研究の概要 |
メタボリックシンドローム(Mets)は、内臓脂肪蓄積を基盤として糖代謝異常・血圧上昇・脂質異常症などの心血管リスク因子が複数重複する病態である。われわれは以前、モデル動物の遺伝解析を通じてMetsの成因としてトリプトファン代謝物であるキヌレン酸の代謝経路が関与する可能性を示した。キヌレン酸に関しては、その中枢神経系を介する精神・神経疾患との関連は広く知られている一方、末梢を介する代謝への影響には未知な点が多い。本研究では、とくに糖代謝との関連に焦点を当てて、キヌレン酸含量の調節やキヌレン酸代謝系への介入が糖代謝に及ぼす影響とその分子基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
メタボリックシンドロームは内臓肥満を基盤として糖代謝・脂質代謝・血圧調節の異常が一個人に重複する病態である。われわれは以前、トリプトファンの代謝物であるキヌレン酸の合成酵素(KAT)の異常がモデル動物におけるメタボリックシンドローム様の表現型と関連することを見出した。本研究におけるより詳細な解析により、KAT欠損マウスではキヌレン酸レベルが低下して糖尿病様の表現型を示す一方、発現実験によりキヌレン酸レベルを増加させた肥満マウスでは肥満に起因する糖尿病様の症状の軽減が認められた。本研究により、キヌレン酸代謝系が糖代謝制御に関わるというキヌレン酸代謝の新しい側面を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリプトファンの代謝物であるキヌレン酸は、うつや統合失調症といった精神疾患との関連が報告されてきたが、メタボリックシンドロームとの関連に関してはわれわれが遺伝解析により独自に見出した知見以外には報告されていない。今回の研究結果はこの知見をさらに発展させるものであり、キヌレン酸代謝系への介入により糖代謝異常やメタボリックシンドロームを改善する可能性を示すものである。
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