研究課題/領域番号 |
20K08898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐藤 貴弘 久留米大学, 付置研究所, 准教授 (50368883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | グレリン / トーパー / GPCR |
研究開始時の研究の概要 |
日内休眠(トーパー)は、寒冷や飢餓などエネルギー保持が必要な時に見られる、著しい体温の低下現象である。本研究ではトーパーの開始や解除がどのように行われているのかを明らかにし、トーパーの人為的な制御を目指す。研究成果は、肥満症や糖尿病の新たな治療戦略の創出に結びついたり、安全なトーパーの維持技術を確立することによって長期間の臓器保存を可能とするなど、将来的な展開も期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、研究代表者が樹立したトーパーモデルマウスを用い、トーパーの誘導および維持機構の解明を目的とした研究を実施した。定量PCRアレイ解析から、トーパーモデルマウスでは脳内のグレリン(脳グレリン)含量が高いことが示された。そこで、グレリンを脳室内に投与すると一過性の体温低下が生じた。この時、腹腔内にあらかじめミニポンプを埋め込んで末梢からグレリンを持続投与しておくと、トーパーが完全に誘導・維持された。すなわち、脳グレリンがトーパーを誘導するとともに、末梢から分泌されるグレリンが脳に反応する際の感受性を高め、持続的な体温低下であるトーパーを維持する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トーパーは、寒冷時や飢餓時などに見られる能動的な低代謝状態で、著しい体温低下を特徴とする生理現象である。類似の現象として低体温症が知られているが、低体温症とは異なって脳機能に障害を残すことはない。このことは、トーパーの誘導や維持機構の解明が、長期間の臓器保存といった次世代型医療に展開できる可能性を示唆している。さらに、能動的低代謝を特徴とするトーパーの全貌を明らかにできれば、肥満症や糖尿病の新たな治療戦略の創出にも結びつくことが期待できる。
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