研究課題/領域番号 |
20K08916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 航 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10772783)
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研究分担者 |
池田 和博 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30343461)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Efp / ステロイドホルモン / 遺伝子発現 / トリプルネガティブ乳がん / 乳がん / 子宮体がん / がん / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
エストロゲンは乳がん、子宮体がんなどの女性がんの増殖・進行と深い関係を有する。これら女性がんに対してホルモン療法が行なわれるが、抵抗性を獲得するものが多く、臨床上大きな問題である。申請者らが独自に単離したエストロゲン応答遺伝子Efpなどは、エストロゲン応答性のがんに加えてホルモン抵抗性を獲得したがんにおいても腫瘍増殖・転移を制御することが想定され、エストロゲン制御機構からの逸脱に関わるとの着想を得たが、詳しいメカニズムは明らかでない。申請者らは、患者由来がん細胞と異種移植を活用した臨床により近いモデルでの解析を行い、エストロゲン制御機構からの逸脱と薬剤耐性のメカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)におけるestrogen responsive finger protein (Efp)の作用を明らかにするため、TNBC患者由来細胞などを用いてEfpの発現を解析したところ、これらTNBC由来の細胞でEfpが過剰発現していることを見出した。またEfpの発現低下系と過剰発現系により、Efpは細胞増殖、細胞移動能、細胞周期の進行に関与することを明らかにした。さらに、トランスクリプトーム解析により、Efpは細胞周期関連遺伝子などの発現制御に関わることが示された。以上より、EfpはTNBCにおいて腫瘍促進的に働くことから、治療標的となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、Efpはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)において腫瘍促進的な役割を担っていることをはじめて明らかにした。また、Efpによって発現制御を受ける細胞周期関連遺伝子としてCDCA7とHELLSを明らかにし、Efpの細胞内作用メカニズムとして新たな経路を示す学術的知見を得た。エストロゲン受容体陽性の乳がんに加え、TNBCにおいてもEfpが治療標的となり得る可能性を明らかにしたことは、治療標的が少なく予後不良であるTNBCに対する新たな治療法開発への応用として期待され、社会的意義を有すると考えられた。
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