研究課題/領域番号 |
20K08918
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石原 寿光 日本大学, 医学部, 教授 (60361086)
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研究分担者 |
小須田 南 日本大学, 医学部, 助手 (40811609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | pancreatic beta-cells / pancreatic alpha-cells / glucose metabolism / metabolic reprogramming / インスリン分泌 / グルカゴン分泌 / 遺伝子発現修飾 / 偽膵島 / 2型糖尿病 / 膵ランゲルハンス島 / インスリン / グルカゴン |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病の約9割は、2型糖尿病と呼ばれる生活習慣の問題が大きく影響する病気です。その原因は、膵臓にある細胞の塊である膵ランゲルハンス島(別名膵島)が障害されることです。膵島には、血糖値を下げるインスリンを分泌する細胞と血糖値を上昇させるグルカゴンを分泌する細胞があります。本研究では、インスリン分泌細胞とグルカゴン分泌細胞に類似した2種類の培養細胞を用います。血糖値が高くなるとインスリンやグルカゴンの分泌が変化しますが、2型糖尿病では適切に分泌変化が起こらなくなっています。これらの細胞に遺伝子操作を施し、どこがおかしくなると糖尿病のようになるかを、突き止めることを目指してこの研究を行います。
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研究成果の概要 |
インスリン分泌MIN6細胞のグルコース代謝と分泌能の関係を、クエン酸回路構成酵素の発現修飾することにより解析し、グルタミン酸を生成する過程の重要性を見出した。また、糖代謝全体を調節する可能性のある転写因子としてSox11を見出したが、Sox11はepithelian-mesenchymal transition (EMT)に重要であるので、Sox11が代謝リプログラミングとβ細胞の運命をつなげる因子である可能性が推定される。 さらに、グルカゴン分泌αTC1細胞とMIN6細胞から作製する偽膵島の解析により、2種類の細胞が協調して特殊な局在をとって、ホルモン分泌制御を行っている可能性を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、膵β細胞のインスリン分泌機構の解明を進めるもので、ひいてはインスリン分泌を増強させる薬剤の開発につながる。インスリン分泌を増強する場合には、β細胞の疲弊をもたらさないことが重要であるが、本研究ではインスリン分泌と細胞の運命の両者を制御する因子の候補が見出された。このような因子の存在は、β細胞の疲弊無しにインスリン分泌を増強する薬剤の開発の第一歩となるものである。このターゲットを修飾する食品成分の同定ができれば、2型糖尿病発症・進展予防の食事戦略の開発にもつながる。さらに、偽膵島を用いた解析は、複数の構成細胞からなる膵島のホルモン分泌メカニズムの解明に展開できると考えられる。
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