研究課題/領域番号 |
20K08927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗原 將 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (40724894)
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研究分担者 |
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 特任教授 (00218744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経芽腫 / テロメア / TERT / FISH法 / MYCN / CTC / 再構成 / テロメアバイオロジー / 多重染色FISH法 / 悪性度 / 予後因子 |
研究開始時の研究の概要 |
神経芽腫は、時に自然退縮が認められる予後良好群がある一方で、難治性の予後不良群があり、腫瘍特性からの治療の層別化が必要である。以前より、当教室では、この腫瘍特性にテロメア長とテロメラーゼ活性が関与することを指摘し、最近はATRX遺伝子変異によるテロメア伸長とTERTの再構成によるテロメラーゼ活性化を見出し、予後不良例の遺伝子異常を同定してきた。そこで、本研究では、テロメアバイオロジーに規定される神経芽腫の腫瘍特性層別化を短時間に確実に行える多重染色FISH法を確立するとともに、これらの腫瘍細胞の特性を一細胞解析にて検討し、新たに分子標的を見出すことを目的としている。
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研究成果の概要 |
神経芽腫の臨床検体において、TERT-PR(プロモーター領域)のrearrangement(再構成)について検討を行った。TERT- PR rearrangementは,Chr5.p15.33領域内のTERTの上流と下流にそれぞれ違った蛍光の標識したプローブを設計して多重染色FISH法にて検討をした。MYCN非増幅症例の2例でTERT-PR rearrangementを認めた。それぞれの症例でTERT mRNAの発現量を測定したところ,4513,5359 copies/GAPDHと明らかにTERTの発現量が増幅していた。この2症例とも治療が奏功しておらず予後不良であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いまだ予後不良な小児がんの一種である神経芽腫の分子生物学的バイオロジーの検討のため、テロメアに注目して研究を行った。ごく一部の症例でTERT-PR rearrangementを認め、予後不良因子となっていると考えられた。その判定方法として、多重染色FISH法の有用性について検討を行い検出は可能と考えられた。早期診断のためのスクリーニング手段として有用であるが、その判定には主観を伴い、Realtime-PCR法などによる確認を要した。 テロメアに関連して、1例でMYCN増幅と変異が初診時に共存した症例を認め、世界的にも稀な症例としてこれを報告した。
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