研究課題/領域番号 |
20K08940
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
野田 弘志 自治医科大学, 医学部, 教授 (00382937)
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研究分担者 |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 教授 (70332369)
力山 敏樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (80343060)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多発癌 / 染色体不安定性 / セントロメア / Satellite α transcript / 脱メチル化異常 / cas / 染色体不安定生 / サテライトDNA |
研究開始時の研究の概要 |
癌患者は、術後の残存臓器に新たな腫瘍性病変を高率に生じます。その機序として発癌の母地「Field Cancerization; FC」の関与が考えられています。FCにはさまざまな遺伝子異常が報告されていますが、我々はメチル化修飾に注目し、セントロメア領域のメチル化異常によりSatellite α transcript (Sat A)が過剰発現し、染色体の数的異常を誘導する事を示しました。この変化は癌部のみならず癌の背景粘膜でも認められ、特に多発癌患者で高値を示すことから、Sat Aは多発癌のFCに関わると考えています。本研究ではSatAが関わる多発癌発生の機序をマウスモデルで検証します。
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研究成果の概要 |
マウスMajar SatA(mSatA)配列を搭載したレンチウイルスベクターを作成し、マウス生体の乳管内に投与したところ、介入群および対象群とも乳癌の発生は見られませんでした。そこで、ベクターをレトロウイルスに変更しました。レトロウイルスベクターによるmSAT 過剰発現により、Abnormal segregation、Micronucleiやanaphase bridgeなど有糸分裂異常を持つ細胞の割合がコントロールと比較して増加しました。今後、このベクターをマウスに投与し、乳がんの発生時期や数、多発及び多臓器発生の頻度、染色体コピー数の変化や遺伝子発現に及ぼす影響を評価します。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、多発癌発生のメカニズムを、脱メチル化異常を背景としたSatAが誘導する「field cancerization」と関連づけて検証する独創的な研究課題です。昨今の縮小手術の普及は異時性発癌のリスクをさらに助長すると懸念されます。「field cancerization」という腫瘍学的な視点から、術式の選択を再考する重要な転機になると考えられます。多発癌発生の頻度や時期、さらに他の異時発癌の標的臓器を明らかにする事ができれば、スクリーニングの時期や対象臓器を含めた検査方法の決定など、臨床応用への貢献が期待されます。
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