研究課題/領域番号 |
20K08945
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) (2020) |
研究代表者 |
東 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30401110)
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研究分担者 |
井上 聡 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (40251251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 乳がん / TRIM47 / TRIM25 / TRIM44 / TRIM39 / ユビキチン化 / スフェロイド培養 / 治療抵抗性 / TRIMファミリー / 三次元スフェロイド培養 |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌は日本人女性で最も起こりやすい癌であり、患者数や死亡者数は増加の一途を辿っている。乳癌による死亡者数増加の原因の一つとして、ホルモン療法が効きにくくなる現象やホルモン受容体がなくホルモン療法の対象とならない乳癌に対する有効な治療法が乏しいという点が挙げられる。申請者は、これまでの研究から、治療が効きにくい乳癌では、TRIM25およびTRIM47という2種類の蛋白質が増えていることを見出している。本研究では、これらの蛋白質の作用を解き明かし、患者さん由来の乳癌細胞の三次元培養という新たな手法を取り入れながら、これまでの問題点を克服できるような新たな乳癌治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、Tripartite Motif (TRIM)ファミリー蛋白質が、乳癌悪性化・治療抵抗性にかかわる分子メカニズムの解明とその応用を目指した。2020年度からの研究期間を通じて、TRIM25、TRIM39、TRIM44、TRIM47蛋白質の乳癌における臨床的な意義やその新規作用メカニズムを明らかにすることができ、それぞれの分子に関して論文発表を行った。それらのメカニズムの一部は、ユビキチン化による蛋白質の安定性を介するメカニズムであった。また、乳癌患者由来の初代培養細胞の樹立を試み、TRIMファミリー関連蛋白質を標的とした今後のプレクリニカル研究のための体制整備を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、複数の乳癌の予後不良因子を蛋白質レベルで同定した。また、TRIM47の機能解析において、PKD3、PKC epsilonの安定化を介したメカニズムを示した点においても学術的な新規性を有する。さらに、ユビキチン分子のリジン27を介するポリユビキチン化という非典型的な分子修飾を示すことができた。本研究で同定した予後不良因子や関連蛋白質の知見を活用することにより、有効なオーダーメード医療を行う道が開け、現在の日本の乳癌の罹患率の高さや死亡数の増加傾向を鑑みると、社会的な意義も有しているといえる。
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