研究課題/領域番号 |
20K08981
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
角舎 学行 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (20609763)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 乳癌 / 乳癌幹細胞 / 遺伝子解析 / 薬剤感受性 / 幹細胞 / 治療効果予測 / 遺伝子プロファイル / 癌幹細胞 / スフェロイド / 効果予測 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、早期の治療効果に応じて薬剤を変更することにより高い病理学的完全奏功率が得られることが報告され、乳癌治療の概念はresponse-guided therapyへとシフトしている。最も理想的な治療方針の決定方法は、あらかじめ患者の乳癌組織から採取した癌細胞、特に癌幹細胞の薬剤感受性を、患者に投与する前に判定し個別の治療法を選択することである。しかし、乳癌では癌幹細胞の選択的培養が技術的に難しいのが現状である。本研究では、乳癌組織からスフェロイド培養で得た乳癌幹細胞を用い薬剤感受性を測定し、最適な個別化薬剤選択システムを確立するとともに、癌幹細胞を維持するためのメカニズムについて解析したい。
|
研究成果の概要 |
48症例の乳癌組織から得られた乳癌細胞において、CD44+/CD24-の細胞の割合はスフェロイド培養前後で比較すると93%の症例で増加していた。またスフェロイド培養で得られた細胞は少数でもマウスへ生着し、移植した乳癌幹細胞は再び上皮性に分化したことから乳癌幹細胞性が証明された。48例の乳癌幹細胞では、間葉系マーカーであるTwist1、Snail、Vimentin の陽性パターンによって3つのグループに分類された。またDNA microarrayによる遺伝子発現解析を行ったところ、乳癌幹細胞は大きく二つのグループに分類された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の我々の研究の中で最もインパクトのある結果は、患者の乳癌組織から安定的に乳癌幹細胞が得られるようになったことである。それにより、乳癌幹細胞の生物学的特徴、遺伝子情報、薬剤感受性などを患者ごとに知ることができるようになり、治療戦略を立てる上で非常に有用である。次に、これまで一つのサブタイプを遡ると乳癌幹細胞は一つのタイプからなるのではと考えられていたが、我々が得た結果からは乳癌幹細胞の中には少数であるがCD44+/CD24-以外の乳癌幹細胞も存在し、ホルモン感受性、EMTマーカーの発現からも多様性があることが明らかになったことである。
|