研究課題
基盤研究(C)
本研究では手術標本で得られた甲状腺濾胞癌穿刺吸引細胞サンプルでも同様の結果が出るかを明らかにする。すなわち、手術で得られた甲状腺濾胞癌責任遺伝子を手術前の穿刺吸引細胞サンプルで診断可能かを検討する。
本研究は手術材料を用いた遺伝子発現解析と甲状腺穿刺吸引材料を用いた遺伝子変異解析をおこなった。網羅的遺伝子発現解析をおこなった。最終的に14遺伝子の発現を調べ、それぞれの遺伝子発現スコアの総和を14 Genes scoreとし、Cut off値を1.2568としたところ感度91.7%、特異度91.2%で濾胞癌と濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫を区別することは可能であった。穿刺吸引材料を用いてTERT遺伝子変異の解析も試みた。穿刺吸引細胞診で悪性と診断された以外の甲状腺結節117例を対象とした。TERT遺伝子変異は甲状腺濾胞癌だけでなく、腺腫様甲状腺腫においても変異がみられた。
甲状腺濾胞癌を術前に診断することは困難であり、甲状腺濾胞性腫瘍の大きさ、超音波画像(血流、エラストグラフィ)、血清サイログロブリン値に加え、遺伝子発現解析や遺伝子変異を加味することにより、甲状腺濾胞癌を術前に疑うことが可能となる。現在、遠隔転移が発見されて、はじめて甲状腺濾胞癌と診断される症例もあることから、甲状腺濾胞癌の有用なツールとなりうる。
すべて 2024 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件)
Journal of Epidemiology
巻: 32 号: Supplement_XII ページ: S23-S35
10.2188/jea.JE20210271
巻: 32 号: Supplement_XII ページ: S76-S83
10.2188/jea.JE20210165
Thyroid
巻: 32 号: 11 ページ: 1316-1327
10.1089/thy.2022.0327
巻: 31巻 11号 号: 11 ページ: 1683-1692
10.1089/thy.2021.0072
乳腺甲状腺超音波医学
巻: 10 ページ: 17-21
巻: 308 号: 9 ページ: 1-13
10.1089/thy.2020.0308
J Clin Endocrinol Metab
巻: 105 号: 12 ページ: 573-573
10.1210/clinem/dgaa573