研究課題/領域番号 |
20K09007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 (2021-2023) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
山崎 誠 関西医科大学, 医学部, 准教授 (50444518)
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研究分担者 |
松浦 記大 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90804477)
山下 公太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20747159)
田中 晃司 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (70621019)
牧野 知紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80528620)
西塔 拓郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20646468)
高橋 剛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50452389)
黒川 幸典 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10470197)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高齢癌患者 / フレイル / 運動・栄養介入 / 運動栄養介入 / 食道癌 / 術前化学療法 / 高齢者 / 癌治療 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会を迎えた現在、癌治療を受ける患者も高齢化しており、術後合併症の発生頻度の増加や予後への影響が問題となっており、高齢者癌治療の適正化が求められている。これまで生活機能の低下した高齢者をいかに評価して、安全に治療することを中心に高齢者がん治療の開発が進められてきたが、虚弱(フレイル)高齢者は適切な介入により生活機能を正常に戻すことが可能な状態であることが明らかになってきた。そこで、本研究では術前化学療法中の運動介入とアミノ酸摂取が身体機能を向上させ術後成績の向上に寄与するかについて臨床・基礎の両面から明らかにし、安全かつ予後の改善をはかることを目的として、本研究を計画した。
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研究実績の概要 |
超高齢社会を迎えた現在、癌治療も高齢化しており、術後合併症の発生頻度の増加や予後への影響が問題となっており、高齢者癌治療の適正化が求められている。これまで生活機能の低下した高齢者に対して治療強度を弱めて治療することを中心に高齢者がん治療の開発が進められてきたが、虚弱(フレイル)高齢者は適切な介入により生活機能を正常に戻すことが可能であることが明らかになってきた。そこで本研究は、高齢者食道癌の術前治療中の運動・栄養介入により、身体機能改善を図り、癌治療の強度を落とすことなく、かつ安全に乗り越えていくことができるかを明らかにすることを目的として、多施設共同ランダム化比較試験を開始した。介入群・非介入群、それぞれ30例を目標症例数として行い、当初の計画通り60例の症例登録が完了し、短期成績のデータの収集を終了した。その結果、性別、BMI, PMI、進行度、運動機能(握力、30m歩行速度、最大二歩幅)は両群で差を認めず、運動・栄養介入はそれぞれ85%、80%で介入を行うことができた。 化学療法中の有害事象は好中球減少が介入群で有意に減少したが、それ以外に差を認めなかった。運動や栄養介入によると思われる倦怠感や嘔気の出現は認めなかった。主要評価項目である化学療法前後の腸腰筋量の変化は、介入群0.84%の減少に対して、非介入群では5.13%の減少を認め、介入群で有意に筋肉量低下を抑制することができた。また、運動機能における化学療法前後での変化は、歩行速度(介入群/非介入群=5.8%/-2.7%)、歩幅(介入群/非介入群=1.3%/-5.0%)と介入群において運動機能低下が抑制される傾向を認めた。術後合併症は非介入群28%に対して介入群8%と有意に合併症割合が減少した。化学療法中の運動・栄養介入が身体機能の低下を防止できる可能性が示唆された。
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