研究課題/領域番号 |
20K09033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 龍一 岡山大学, 大学病院, 講師 (80534768)
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研究分担者 |
香川 俊輔 岡山大学, 大学病院, 准教授 (00362971)
重安 邦俊 岡山大学, 大学病院, 助教 (70544071)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵癌 / リキッドバイオプシー / ctDNA |
研究開始時の研究の概要 |
近年膵癌に対する抗腫瘍効果の高い化学療法が実臨床に導入されたが、最適なレジメンや治療期間は未だ不明である。また手術適応決定は、現状では画像診断に基づいて判断しているが、一定の割合で早期再発死亡が生じる。これらは、分子生物学的な悪性度を加味した治療アルゴリズムの欠如のためである。 この問題の解決のため、DNA・RNA・循環血液中の腫瘍由来DNA(circulating tumor DNA; ctDNA)を用いた複合バイオマーカーパネルを作成する。発癌から進展の過程で癌細胞に蓄積された分子生物学的特性による個別化を図り、膵癌のプレシジョン医療の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
mutKRAS-ctDNAが術前もしくは術後に検出された患者群では有意に予後不良であることが確認されました。さらには術前後mutKRAS-ctDNA検出状況を組み合わせて解析することで、膵癌の治療成績に寄与する肝再発症例の選別が可能になる可能性が見出されました。 また膵癌原発巣でのGATA6低発現患者群では有意に予後不良であることが確認されました。 これらの結果を併せて、膵癌患者をlow/intermediate/high risk群に分類することが可能であり、真の切除適応や最適な切除時期の決定が可能となる「新たな膵癌治療戦略」の考案を試みました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規化学療法の実臨床への導入や切除可能性分類に従った診断体系の構築により膵癌治療成績は進歩しつつありますが、膵癌は現在でも極めて予後不良な難治癌です。 本研究では膵癌原発巣のRNA発現・ctDNA内遺伝子変異情報を用いた複合バイオマーカーパネルを作成し、真の切除適応や最適な切除時期の決定が可能となる膵癌治療アルゴリズムの構築を試みました。膵癌外科治療は多大な生体侵襲を伴うものであり、膵癌の生物学的悪性度が反映された治療アルゴリズムが実臨床に応用されるようになれば、膵癌患者さんにとって多大な福音となることが期待されています。
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