研究課題/領域番号 |
20K09048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本山 悟 秋田大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (60292372)
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研究分担者 |
久場 敬司 秋田大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10451915)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | リンパ節転移 / Galectin / 腫瘍免疫 / RNA-seq解析 / 空間的トランスクリプトーム解析 / microRNA / mRNA / 炎症 / 固形癌 / エピトランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では我々が先の研究により確立させたリンパ節転移動物実験モデルとそこから得られた培養細胞クローンを用いてRNA修飾、つまりエピトランスクリプトームの網羅的な解析を全RNAのみならず、mRNA、lncRNA、circRNA、pre-miRNA、pri-miRNA、snoRNA、snRNAの各クラスで解析する。さらに最近急速に発展したCRISPR-Cas9による遺伝子編集により、同定したRNAをノックダウンさせることによりマウスモデルのリンパ節転移状況に大きな変化が現れるかを検証する。また、得られた知見を臨床サンプルにより検証し、エピトランスクリプトームによる食道癌リンパ節転移支配を解明する。
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研究成果の概要 |
癌のリンパ節転移の分子機序は不明である。本研究は癌のリンパ節転移に重要な制御遺伝子を同定することを目的として行った。In vivo継代で作成した悪性度の高いNR-S1M転移株を用いてRNA-seq解析を行い、転移株ではサイトカインネットワークが破綻し、がん組織の一部の領域で抗腫瘍免疫細胞の割合が顕著に低下していることを発見した。遺伝子リストからGalectin分子に着目した。CRISPR-Cas9を用いてGalectin分子欠損株を作成しマウスに移植した結果、コントロール群に比べリンパ節転移が顕著に抑えられることが判明した。Galectin分子が特異的転移誘導因子であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNA-Seq及びVisium空間的トランスクリプトーム解析から見出したGalectin分子が癌リンパ節転移における重要な因子であることが示唆された。近年、がん抗原ワクチン療法、免疫チェックポイント阻害療法、CAR-T療法の開発など、癌治療において腫瘍免疫学は最も期待されている分野である。本研究におけるGalectin分子の免疫抑制分子機序の解明は、腫瘍免疫学分野からの新たなリンパ節転移治療法の開発につながる重要な基礎研究になる。
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