研究課題/領域番号 |
20K09071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 公貴 北海道大学, 大学病院, 助教 (10758642)
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研究分担者 |
野路 武寛 北海道大学, 大学病院, 助教 (10739296)
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
海老原 裕磨 北海道大学, 大学病院, 特任教授 (50632981)
岡村 圭祐 北海道大学, 大学病院, 助教 (90724401)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 胆道悪性腫瘍 / 腫瘍存在診断 / 5-アミノレブリン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
大きな外科手術が必要となる胆道悪性腫瘍において、正確な腫瘍の進展範囲診断は治療方針の決定に必要な要素である。 現状の診断方法では、詳細な範囲診断は困難である。我々はがん細胞を特異的に発光させることができる5-アミノレブリン酸を用いて、胆道腫瘍に対する進展範囲診断の向上に寄与できるかを実証するための探索的研究を行う。 なお、この手法の有用性が示された際には、経乳頭的内視鏡検査を用いた表層拡大進展病変に対する範囲診断や、腹腔鏡検査にて腹膜播種・リンパ節転移などを切除せずに診断する手法の確立につながる。
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研究成果の概要 |
胆道癌および膵癌の7症例に対して5-アミノレブリン酸 (5-ALA)を用いた光線力学的診断を実施した。主腫瘍に関する評価において、膵癌は5-ALAによる発光が認められ、肉眼では検出が困難な蛍光に対して機器Ⅰのスペクトル波形解析が非常に有用であった。 一方、胆道癌は胆汁中に分泌された5-ALAのため胆道粘膜面が全面的に発光したため、肉眼では癌の検出が困難であった。しかし、機器Ⅰを用いて蛍光強度の違いを評価することで、一部の症例で癌と正常粘膜の鑑別が可能であった。機器Ⅱを用いた術中検査では、腹膜播種転移、リンパ節転移、切除断端の癌遺残が今回の対象症例にはなく、蛍光による検出は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胆道癌や膵癌に対して、5-ALAを用いた腫瘍の存在診断することが可能であった。一方で、課題として、胆道癌の腫瘍進展範囲を診断するために、胆汁中に分泌される5-ALAに由来する自家蛍光をどのように除外するかが重要である。また、この事象から十二指腸より肛門側の消化管原発腫瘍に対する診断が困難であることが判明した。 5-ALAを用いた光線力学的診断においては、別用途の光線力学的診断に用いられるインドシアニングリーンと比較して発光強度が低いため、肉眼による腫瘍存在診断が困難な場合があった。そのため、機器Ⅱを用いた定量的なスペクトル波形と発光強度の測定が、客観的な診断を行う上で重要であると考えられる。
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