研究課題/領域番号 |
20K09107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藏重 淳二 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (90594474)
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研究分担者 |
江藤 弘二郎 熊本大学, 病院, 特任助教 (40585717)
原田 和人 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70608869)
山下 晃平 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (00867202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胃癌 / 腹膜播種 / SERPINE2 / 細胞外マトリックス / microRNA / エキソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞から分泌される50~100nmの小さな膜小胞である「エキソソーム」内に、タンパク質やmRNA、そしてmicroRNAが含有されており、種種の生体内現象に関わっていることが報告されている。エキソソームは、新しい細胞間コミュニケーションツールとして重要な役割を担っていると考えられ、新たな癌の浸潤・転移の治療標的になるのではないかと考えられている。本研究の目的は、わが国で依然として高い罹患率と致死率を示す胃癌に焦点を当て、胃癌が分泌するエキソソームと、胃癌の腹膜播種進展との関係について明らかにし、エキソソームに内包されたmicroRNA/遺伝子制御による腹膜播種の新しい治療法として可能性を追求することである。
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研究成果の概要 |
われわれは、腹膜播種モデルマウスを用いて、腹膜播種性転移に有意に働き、胃癌患者の予後を大きく規定する遺伝子を治療標的と考えその探索を行った。その結果、SERPINE2という遺伝子が、癌の腹膜播種に深く関与している可能性を見出した。SERPINE2は、extracellular-matrixの構成成分で、SERPINE2高発現群において、全生存期間、無再発生存期間が低い傾向にあり、SERPINE2の発現が予後に影響することが示唆された。SERPINE2に関しては、既存の抗凝固薬がその抑制薬剤として存在しており、in vivoにおいてこれらの薬剤が胃癌腹膜に対して効果があるのかを検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スキルス胃癌は若年者に発症し、高い死亡率を有するにも関わらず、これまで解明されている情報は極めて限られており、腹膜播種転移機序については未知な部分が多く、有効な予防法や治療法は依然確立していない。SERPINE2に関しては、既存の抗凝固薬がその抑制薬剤として存在しており、実臨床で用いるハードルも低く、癌の進展を抑制させる可能性があり、新しい胃癌腹膜播種の治療につながる可能性がある。
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