研究課題
基盤研究(C)
癌細胞はDNA損傷により細胞死するが、修復経路が存在するためDNA損傷が修復された場合はその癌細胞は生存する。そのため癌細胞のDNA損傷の修復ができないよう、修復経路を阻害する治療法がある。このDNA修復経路は複数あり、2つの異なる経路が同時に阻害されると癌が細胞死する。その好例がBRCA遺伝子変異という元々1つの修復経路が機能しない癌に、さらにPARP阻害薬によってもう1つのDNA修復機能を阻害する治療法であり既に臨床応用されている。その他のDNA修復酵素の1つにMGMTがある。我々はMGMTが機能しない癌に対し、もう1つの修復経路を阻害することによる薬物効果についての基礎的検討を行う。
ミスマッチ修復タンパクの異常はマイクロサテライト不安定性癌の発生のメカニズムとして知られているが、がんの発生にはミスマッチ修復タンパク以外にも様々な遺伝子修復機構の異常が報告され、治療に応用されている。例えばDNA相当組み換え修復などに関与するBRCA1/2遺伝子の病的バリアントによる不活化に対するPARP阻害薬は、2つのDNA修復経路の両方が障害されることによる合成致死性を示し、がん治療に応用されている。他の遺伝子修復機構の破綻を治療に応用できないか。本研究ではBLMやWRNに着目し、そのような新規の合成致死療法の探索を試みている。
ミスマッチ修復タンパク(MLH1,MSH2,MSH6,PMS2)の発現消失を示す固形癌またはマイクロサテライト不安定性癌に対しては、免疫チェックポイント阻害薬が有効であり、様々な癌の生存期間の延長にも寄与したが、有効な患者群の割合は限られている。我々のデータでは例えば大腸癌では95.1%がミスマッチ修復タンパクに異常が無かった。これらの大多数の患者群に対し、複数のDNA修復経路を阻害することで、癌細胞増殖を抑制する機序を見つけることで、新規治療薬開発の基礎となるような研究を実施中である。現時点ではまだデータ集積の途中で有り、社会的意義につながるようなデータは得られいない。
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