研究課題/領域番号 |
20K09112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 美信 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50329736)
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研究分担者 |
林 孝典 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40724315)
本間 尚子 東邦大学, 医学部, 准教授 (70321875)
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大腸がん / エストロゲン / ER / アロマターゼ / がん幹細胞 / 大腸がんモデル |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは、大腸組織の解析から大腸上皮にエストロゲン受容体が発現しており,特に大腸がんの発生母地となる陰窩底部でその発現が非常に高いことを見出した。本研究では、私たちがこれまで作製してきた種々のエストロゲン欠損マウスモデルを用いて、エストロゲンと大腸発がんとの関連を明らかにする。またエストロゲンが,がん幹細胞の自己再生や分化,浸潤能,薬剤耐性能の獲得に及ぼす影響を大腸がんの手術検体を活用して明らかにする。マウスモデルおよび臨床検体を解析する本研究を通じて,女性の大腸がんの発がんの新機構を明らかにして,がんの予防および新規治療につながる基礎データを得る。
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研究成果の概要 |
エストロゲンが大腸がんの増悪に与える影響を細胞株を用いて検証した結果,低濃度のエストロゲンが大腸がんの増殖を抑制する可能性を見出した。また、マウス大腸の陰窩部にエストロゲン受容体βの発現を確認できた一方で、エストロゲン受容体αと小胞体膜局在のエストロゲン受容体は確認できず,大腸がんの発生や成長にエストロゲン受容体βが重要な働きをしている可能性がある。 PDXを用いた検討でもこれを支持する結果が得られたが、モデルマウスでは各モデルマウスで大きな差がなかった。本研究ではエストロゲンが大腸がんに抑制的にはたらく一方で、一部の大腸がんにとっては増悪因子である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸がんは男性の病気というイメージが強いが,女性でも閉経後に大腸がんの発症率が上がる。しかも,発症部位にも違いがみられる。この違いにはエストロゲンが深く関与していると考えられているが,その機構はほとんどわかっていない。 我々の研究では閉経後女性や男性に発症する大腸がんとそこに関わるエストロゲンの関係を詳細に明らかにするため,モデルマウスを使って検討を行った。その結果,エストロゲンの濃度と大腸がんの増殖効率や発現遺伝子に変化が見られ,大腸がんの発症を抑えるにはエストロゲンの適切な濃度というのが存在すると分かった。
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