研究課題/領域番号 |
20K09126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 泰宏 岡山大学, 大学病院, 助教 (40534673)
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研究分担者 |
中谷 達行 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 教授 (50520920)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Diamond-like Carbon / ナノテクノロジー / 生体適合性 / 医療機器 / 異物界面 / 抗感染性 / 人工血管 / カテーテル / Diamond-like carbon / 血液適合性 / カルボキシル基 / 透析シャント / 親水性 / 血小板付着 / タンパク吸着 / 血栓促進 / ePTFE / Diamon-like carbon / 蛋白吸着 / Diamond-like-carbon / Carboxil group |
研究開始時の研究の概要 |
我々は独自の技術(特許取得済み)を用いて、DLCコーティング人工血管を作成し、透析シャントの開存率向上を得られるか確認をしたが、非劣勢を証明したに止まった。そこで我々は親水性を向上させた酸素付加DLC(カルボキシル基をつけたDLC;C-DLC)を作成し、これをePTFE人工血管内腔にコーティングして人工血管透析シャントの開存率を向上を試みることにした。本研究では、C-DLCコーティングePTFE人工血管の、血液適合性を血小板吸着試験と蛋白吸着試験で確認し、透析シャント開存率をを大動物への人工血管動静脈シャント作成試験にて確認する。また、人工血管壁内への細胞誘導の違いも各種染色試験で確認する。
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研究成果の概要 |
Diamond-like-carbon (DLC)コーティング時に、酸素ガスを混入させ、CVD法でカルボキシル基付加DLC(C-DLC)を作成し、ePTFEへの適切な成膜条件設定を行い、NEXAFS、RBS spectrum、ERDA spectrumで育成したFilmの構造解析を行った。硬度解析、弾性解析、親水性解析、ゼータ電位解析等の解析も行い、明らかに表面の性質が改変されており、酸素原子の含量が増加している事を確認した。血液適合性は大きく低下し、人工血管開存率向上には向かない事が判明した。一部の菌に抗感染性を示すデータを取得した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DLCにカルボキシ基導入が可能となった。正確にはカルボキシル基のみではなく、C-O結合、C=O結合の増加、酸素含量の増加であるが、親水性やゼータ電位も大きく変化しており、カルボキシル基は増加しているものと考えられる。生体表面にはカルボキシル基やアミノ基が分布し、生体機能の一部をになっているため、生体と同じく炭素と水素で構成されるDLCに官能基を付加する事でより生体に近づけたDLC、Biomimetic DLCを構想しているが、本研究によりBiomimeticなDLC開発に一歩近づいた。血液適合性は低下したが、抗細菌性が一部確認されており、C-DLC自体の実用化用途もあると判明した。
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