研究課題/領域番号 |
20K09131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
前田 吉宣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20438203)
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研究分担者 |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (40182422)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 生体内組織工学 / 先天性心疾患 / 代用心膜 / 自家移植 / 自己結合組織 / 生体組織工学 / 肺動脈形成 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性心疾患に対する小児心臓外科治療において狭小化した肺動脈の拡大形成術を行う際の拡大用血管壁素材として生体組織工学を用いて患者自身の体内で作成した自己結合組織膜を使用し、開存性や発育可能性、安全性などを明らかにするための臨床研究である。段階的治療を要し肺動脈の拡大形成術が必要となる患者を対象とし、その初回姑息手術時に腹部皮下、腹直筋直上に滅菌シリコン基材を埋入する。第二期手術もしくは根治手術時にシリコン基材と結合組織片を採取し切開した狭窄肺動脈部分に縫着して拡大形成を行う。その後移植された自己結合組織膜の経時変化を画像検査を用いて追跡観察するとともに自己結合組織膜の病理組織学的検討を行う。
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研究成果の概要 |
対象は10例。埋め込んだシリコン基材総数は33本、1回あたり中央値2本(2-4本)。基材サイズは50mm長16本、45mm長6本、40mm長9本、35mm長2本。 中央値268日の埋め込み待機期間の後、採取された基材周囲に全ての症例で良好な自己結合組織膜が形成され、肺動脈形成素材として問題なく使用することが可能。自己結合組織膜による肺動脈拡大形成術後の観察期間において、形成部位の有害事象(出血、瘤化変性、感染)は認めていない。 採取された自己結合組織膜の縫合糸保持強度、破壊圧力は同種(ヒト)の大伏在静脈や内胸動脈など他の血管と比較しても同等もしくはそれ以上の強度を有していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先天性心疾患の外科治療はその複雑な疾患特性より複数回の手術を必要とすることが多い一方で、成長発育の観点からできる限り自己組織による形態修復をも必要とされる。本研究で示された自己結合組織膜の有用性は自己心膜や人工血管の代用素材として非常に有効であり、今後の先天性心疾患治療において福音となるものである。
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