研究課題/領域番号 |
20K09165
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村上 順一 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10725683)
|
研究分担者 |
田中 俊樹 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50457305)
溝口 高弘 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90844796)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 気管支断端瘻 / 積層線維芽細胞シート / 再生医療 / 肺切除術 / 線維芽細胞シート / 積層 / 気管支切離断端瘻 / 肺葉切除 / 犬肺切除モデル / 気管支切離断端補強 / 再生 / 動物実験 / 肺切除後 / 術後合併症予防 / 術後気管支断端瘻 / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
気管支断端瘻は肺切除後の合併症の1つで、発症するとその死亡率は高く、根本的な発症機序の解明には至っていない。危険因子を有する症例に対して自己組織による断端被覆が経験的に行われているが、その有効性については賛否両論ある。動物実験から、肺切除後の気管支断端では壁外の新生線維組織の増生のみで修復されることが示唆された。我々が開発した組織修復の促進効果のある積層線維芽細胞シートは断端被覆に最適であると発想した。そこで申請者らは、肺切除後の気管支断端における積層線維芽細胞シートによる組織修復の促進効果を検証し、術後気管支断端瘻に対する、細胞シートを使用した新規術中予防法を確立することを計画した。
|
研究成果の概要 |
積層線維芽細胞シートの気管支断端補強効果を大型動物実験で検証した。イヌの口腔粘膜から線維芽細胞を単離し、積層線維芽細胞シートを作成できた。同細胞シートは 6-8層の細胞積層構造を認め、一部に筋線維芽細胞を有すること、VEGF、HGF、TGF-β などの成長因子を高度に分泌することがわかった。口腔粘膜から作成した線維芽細胞シートを左肺後葉切除後の気管支切離断端に移植した。細胞シートの移植による有害事象は認めなかった。現在、組織学的評価を行っている。細胞シート移植群では対照群に比べて、気管支切離断端への軟部組織の付着や胸膜の被覆を認め、細胞シートが組織修復の促進に寄与した可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞シート移植によって肺切除後の気管支断端瘻を予防できれば、死亡率が高く、治療に難渋する気管支断端瘻治療に苦しむ患者や悩む医療者を激減させ、長期にわたる医療コストをも削減することができる。呼吸器外科手術における気管-気管や気管支-気管支吻合における縫合不全の予防、既に発症した気管支断端瘻に対する治療への適応拡大も見込まれる。さらに我々が最終的に目指す積層線維芽細胞シートの他家移植が可能となれば、自己の細胞・組織採取が不要な新規バイオマテリアルとして、外科他領域における術後合併症(術後出血、腸管縫合不全、術後膵液漏、胆汁漏、髄液漏、乳糜漏、神経損傷など)の予防への応用が期待できる。
|