研究課題
基盤研究(C)
原発性肺癌は完全切除後の再発率は約50%の難治性癌で集学的治療が必須であり、正確な治療適応基準の解明は重要な課題である。腫瘍内遺伝子多様性は治療の感受性や耐性を規定する重要な因子で、NGSにより解析が可能となった。本研究では、手術時の標本から早期変異(clonal)主体の癌細胞と進展変異(subclonal)を有する癌細胞という空間的多様性を検討する。これで得られたsubcloneを指標に、手術後の定期的な血液解析と再発時腫瘍組織の解析から再発早期発見や治療開始の指標とする。本研究により、手術を含めた治療基準の設定、集学的治療の適応、種々の治療の適応、再発前の早期治療開始などの解明をめざす。
原発性肺癌の5年生存率は不良で集学的治療が必須である。腫瘍内遺伝子多様性は治療の感受性や耐性を規定する重要な因子である。まず非小細胞肺癌の手術症例194例の腺癌からEGFR変異81例、ALK4例、KRAS4例、RET1例、ERBB-2 1例を検出した。局所進行非小細胞肺癌患者4例の術後再発時の血漿のNGS遺伝子解析にて遺伝子変異の時間的多様性を解析し、血漿における分子モニタリングを提示した。さらに、手術を施行した非小細胞肺癌患者26症例から血漿cfDNAを解析し、再発症例において、腫瘍マーカーが上昇する前からcfDNAの上昇を認め、再発を早期に予測できる可能性を示唆した。
ドライバー遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の治療成績の向上のためには、分子標的治療の感受性をあげ、かつ耐性を克服することが重要である。本研究により、個々の症例の腫瘍内遺伝子多様性(不均一性)を正確に解析・理解することが腫瘍の進展の予測に有用で、経時的な分子モニタリングの手法を確立する一助となる。さらなるモニタリングの手法の確立が患者の予後向上に寄与することとなる。肺癌は全癌の中で最も死亡数の多い悪性腫瘍であり、その予後向上は社会的に極めて重要である。
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