研究課題/領域番号 |
20K09170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 (2021-2023) 東海大学 (2020) |
研究代表者 |
河野 光智 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10276272)
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研究分担者 |
岩崎 正之 東海大学, 医学部, 教授 (90223388)
小松 晃之 中央大学, 理工学部, 教授 (30298187)
増田 良太 東海大学, 医学部, 教授 (10408057)
生駒 陽一郎 東海大学, 医学部, 講師 (40631792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 人工赤血球 / 出血性ショック / 肺切除 / 肺移植 / ヘモアクト / 人工酸素運搬体 / 呼吸器外科 / 外科手術 / 出血 |
研究開始時の研究の概要 |
動物モデルを用い、外科手術時の大量出血に対するヘモアクト投与の即時効果と、長期的な回復過程や創傷治癒への影響の検証を行い、将来の第Ⅱ相試験に必要なデータを収集する。肺移植や気管移植などの臓器移植モデルでの検証も行い、外科手術をより安全に行う手段として人工赤血球を使用するために必要な実験も行う。様々な人工酸素運搬体を利用した動物実験はなされてきたが、実用化には至っていない。ヘモグロビンとアルブミンの特性を併せ持つヘモアクトという新しく開発された人工赤血球を、外科手術に応用する初めての動物実験である。
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研究成果の概要 |
人工酸素運搬体として開発されたヘモアクトは約8nmと小さく、赤血球の1/1000ほどで、狭窄した毛細血管にも入り込んで酸素を運ぶことができる。ラットの出血性ショックモデルで(ヘモグロビン アルブミン)クラスター(ヘモアクトHb-HSA3)溶液を投与することで蘇生を行った。Hb-HSA3群と返血群では6時間後まで全例が生存したのに対し、乳酸リンゲル液RL群は4時間以内に全例が死亡した。平均動脈血はHb-HSA3溶液投与により初期値まで回復した。蘇生7日後までの観察で一般状態に異常は認められず、全例が生存した。臓器への影響は一次的で、Hb-HSA3の赤血球代替物としての有効性が実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘモグロビン分子に3個のヒト血清アルブミンを結合した構造の(ヘモグロビン-アルブミン)クラスター(製剤名:ヘモアクト)は人工酸素運搬体(人工赤血球)として開発された。ヘモグロビンとアルブミンの性質を併せ持ち、長期保存が可能で、血液型に関係なく使用でき、感染症のおそれもない。救急現場での出血性ショックに対する臨床応用が期待されるほか、待機的手術での大量出血に対する使用が見込まれる。ラットの出血性ショックモデルにおいて、ヘモアクト投与の安全性と有効性が確認された。また、肺切除或いは肺移植実験ではスワンガンツカテーテルを用い、循環動態、血液や組織の酸素化、酸素運搬の詳細な解析を行うモデルを確立した。
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