研究課題/領域番号 |
20K09187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
高橋 祐介 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, 主任研究員 (00445214)
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研究分担者 |
松下 博和 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, 分野長 (80597782)
山口 類 愛知県がんセンター(研究所), システム解析学分野, 分野長 (90380675)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 非小細胞肺癌 / 循環腫瘍細胞 / 化学療法 / 免疫原性細胞死 / 免疫チェックポイント阻害剤 / ネオ抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
進行非小細胞肺癌に対するICI療法は奏効率は高くないうえ免疫関連有害事象のリスクがあり、バイオマーカーによる適切な症例選択が必要だが、腫瘍細胞のPD-L1発現や遺伝子変異数の効果予測能は不十分である。 ICDは抗癌剤や放射線照射によるアポトーシスの過程で小胞体のcalreticulinの細胞表面への露出やHMGB1、ATPの放出がT細胞を活性化、特異的抗腫瘍免疫応答が誘導される現象であるが、生体では証明されていない。IV期非小細胞肺癌でICI・殺細胞性抗癌剤併用療法を受ける症例で血中循環腫瘍細胞(CTC)を検出しICD hallmarkとされる分子プロファイルを検出、奏功との相関を検証する。
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研究成果の概要 |
当施設で切除を受けた非小細胞肺癌でmRNAseq.とFACSを行った112例のうち導入化学療法を行った症例8例を解析した。 腫瘍浸潤リンパ球FACSでCD8陽性T-cellが抗がん剤投与後に有意に増加、特に腫瘍特異的とされるCD8 陽性/CD39陽性/CD103陽性の分画が著増していた。またFoxP3、 ICOS、 LAG3、CTLA4などの免疫抑制性分子が抗がん剤投与後に低下、fresh tumor digestにおけるIFN gamma、IL1 beta、CXCL6の数値が有意に増加していた。これらのケモカインやサイトカインの発現によって腫瘍特異的な免疫反応が惹起される可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では化学療法投与とimmunogenic cell deathの解析をするためにcirculatin tumor cellの解析を計画していたが、 COVID-19感染拡大の副次的な事情により困難となったため当初の研究計画の変更を余儀なくされた。血液や腫瘍検体を用いた殺細胞性抗がん剤の投与前後での腫 瘍の免疫学的微小環境の解析によって、殺細胞性抗がん剤による免疫学的微小環境への影響、また免疫チェックポイント阻害剤の併用療法がより適した症例の免 疫反応などを探るための基礎的知見をえることができたと考えている。今後はneoantigenを絡めた解析と論文投稿を予定している。
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