研究課題/領域番号 |
20K09204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
中村 正帆 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (80734318)
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研究分担者 |
吉川 雄朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70506633)
長沼 史登 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80780519)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 吸入麻酔薬 / ニューロテンシン / 覚醒系神経回路 / ニューロテンシン神経系 / ヒスタミン神経系 / 覚醒 |
研究開始時の研究の概要 |
吸入麻酔薬が皮質下覚醒系神経回路にどのように作用し、意識を消失させるのか不明の点が多い。最近、神経ペプチドの一種であるニューロテンシン神経系が、強い覚醒作用を有することが明らかになった。 本研究の目的は、吸入麻酔薬の意識消失作用におけるニューロテンシン神経系の役割を解明することである。遺伝子組換えマウスに薬理遺伝学と光遺伝学の手法を用いて、吸入麻酔薬によるニューロテンシン神経細胞特異的な変化を生体内で定量する計画である。これが明らかになれば、吸入麻酔と皮質下覚醒系神経回路の関連を包括的に理解するための基盤になると考える。
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研究成果の概要 |
ニューロテンシン神経系が、吸入全身麻酔薬による意識消失作用においてどのような役割を果たしているかを検証した。ニューロテンシンは外側視床下部と扁桃体中心核の神経細胞に発現しており、間脳から延髄まで広範囲に投射していた。これらの神経細胞にはノンレム睡眠やレム睡眠を調節し覚醒を促す作用を認めたが、化学遺伝学的手法やファイバーフォトメトリーを用いて、ニューロテンシン神経細胞特異的な活性の変化と吸入麻酔薬による意識消失の関係を検討したところ、ニューロテンシン神経細胞の活性は全身麻酔導入あるいは回復と関連しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮質下覚醒系神経回路は、覚醒のみならず認知記憶機能も調節する。本邦では手術麻酔患者が著しく高齢化したため、術後認知機能障害は主要な術後合併症の一つとして喫緊の対策が求められている。今後の研究のさらなる発展によって、ニューロテンシン神経系とその下流の小分子神経伝達物質神経核の吸入麻酔における役割が明らかになれば、皮質下覚醒系神経回路の認知記憶機能における吸入麻酔薬の影響を特異的に解析できるため、術後覚醒遅延や術後認知機能障害の病態解明・治療開発の研究基盤になる可能性があると考える。
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