研究課題/領域番号 |
20K09234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
東 俊晴 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (60284197)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 単球 / 組織因子 / アポトーシス / 凝固活性小胞 / 自己血輸血 / 自己血輸血関連有害事象 / マイクロパーティクル / 周術期輸血 / 血液凝固 |
研究開始時の研究の概要 |
同種血の輸血は患者の生命予後を悪化させる可能性があり,赤血球製剤に混入した白血球がその要因と考えられている.献血時に白血球が除去されるようになった現在,同種血輸血による危険は低下していると考えられる. 一方,自己血輸血に際して白血球除去は行なわれておらず,自己血輸血が,同種赤血球輸血より有害である可能性が示唆される. そこで本研究の目的は、「周術期自己血輸血のための血液製剤を保存するにあたり,白血球を除去することで凝固活性マイクロパーティクルの発生を抑制し,術後有害事象の発生を低下させるか?」という臨床的疑問を解決することとする.
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研究成果の概要 |
低温曝露後の復温がヒト単球系細胞(THP-1)に与える影響を調査した.4℃で一定時間の低温曝露後,37℃に再加温したTHP-1のミトコンドリア膜電位をTMRM染色で評価した.8時間以上の低温曝露後の再加温では,細胞は蛍光強度の異なる2つのグループに分かれ,一部はアポトーシスとなった.カルシウムの細胞内流入がアポトーシス誘導の主因であり,カルシウムキレート剤が抑制効果を示したが,活性酸素種は関与していなかった.さらに低温曝露後に組織因子の放出が観察され,抗酸化剤はこれを抑制した.これらの結果から低温曝露によるアポトーシス誘導と組織因子放出には異なる分子機構が関与していることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低温曝露によるアポトーシス誘導には細胞外カルシウムの細胞内への流入が関与すると考えられたが,活性酸素種はTHP-1の低温曝露によるアポトーシス誘導に影響を与えなかった.一方,THP-1は低温曝露により組織因子を放出し,活性酸素種はこれを抑制した.血液製剤の保存溶液にはカルシウムキレート薬が含まれているが,活性酸素種の消去薬は含まれていない.今回の知見により,白血球を含む血液製剤を保存する溶液に活性酸素種を消去する作用をもつ薬剤を添加することで輸血に関連する血栓形成性を抑制制御可能であることが示唆された.
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