研究課題/領域番号 |
20K09236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
外崎 充 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60419968)
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研究分担者 |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80250603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自律神経機能 / オレキシン / 鎮静 / デクスメデトミジン / 青斑核 / プロポフォール / 集中治療 / 睡眠 |
研究開始時の研究の概要 |
生理的な状況で各種全身麻酔薬とOX受容体拮抗薬をラットに投与し麻酔薬投与前後の睡眠の量と質の両面を検討するとともに、睡眠が交感神経系の機能亢進(アルファ2アドレナリン受容体拮抗薬ヨヒンビン投与で導入)、減弱(脳内NA特異性毒素であるDSP-4投与で導入)にどのように相関するかを評価する。更に睡眠と交感神経系の相関が脳内の生理的睡眠覚醒物質であるオレキシン(OX)、 Melanin Concentrating Hormone (MCH)とも関係するかを評価する。
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研究成果の概要 |
オレキシン(OX)の活性が低下する遺伝子改変ラット(TG)と、その野生型(WT)に対して、麻酔時間、睡眠動態、鎮痛、自律神経機能に関する検討を行った。その結果いずれの測定項目ともTGはWTと異なる反応を示した。TGでは交感神経活性が低下しており、ストレスに弱い傾向にあることが示唆された。集中治療中の重症例の鎮静において、交感神経機能を維持することは呼吸、循環の安定をもたらし予後に影響する。集中治療中の症例は複雑な病態を有するが、OXは自律神経系の機能調節に関与しているため、OX神経系の機能を適切に調整することで個々の病態の最適な鎮静を選択できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手術適応の拡大に伴う症例数の増加は病態の複雑化、リスクの増大をもたらしている。入院日数の短縮、医療費削減などの社会的要請もますます強まっている。そのため周術期の集中治療を含めた症例の病態に応じた適切な管理が必要で、安全性、快適性、経済性も求められるが、相反する要素を適切に調和させることが集中治療医学の研究に必要である。集中治療医学は周術期のあらゆる病態を適切に管理し、患者の生命を守る使命を負う。集中治療中は鎮静が往々にして要請される。本研究は自律神経系、特に交感神経系の制御を通じて集中治療中の患者に安全、快適かつ経済性にも優れた鎮静法を確立すべく立案された基礎研究である。
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