研究課題/領域番号 |
20K09239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 聡 信州大学, 医学部, 特任教授 (60293510)
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研究分担者 |
布施谷 仁志 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (00588197)
杉山 由紀 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (10468100)
川真田 樹人 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90315523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 局所麻酔薬 / 術後痛 / 筋修復 / 神経ブロック |
研究開始時の研究の概要 |
①比較的大量の局所麻酔薬が腹壁ブロックや、筋切開創部ブロックに用いられている。臨床における局所麻酔薬血中濃度の評価が行われてきたが、鎮痛に対する全身作用の有無は調査されていない。 ②正常筋に対する局所麻酔薬の筋毒性や炎症惹起が知られているが、切開後の修復過程(炎症性変化)に対する局所麻酔薬の影響は調査されていない。すなわち安全性が確立されているとはいえない。 それゆえ、本研究では開腹手術後の腹壁に対する局所麻酔薬の全身作用の有無と、筋創部修復への影響を調査する。本研究は、安全でかつ効果的な区域麻酔法開発に繋がる。
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研究成果の概要 |
ラットの外科的開腹部位に対する0.5%ロピバカインの単回および反復浸潤は、生理食塩水または0.25%ロピバカインの浸潤麻酔と比較して、開腹による筋損傷を有意に増強し、CD 68陽性マクロファージおよびMyoD陽性細胞の数を増加させた。対照的に、生理食塩水浸潤と0.25%ロピバカイン浸潤麻酔の比較では、それらに有意差はなかった。開腹から2時間後の痛み関連行動は、0.25%と0.5%ロピバカイン浸潤麻酔によって抑制された。外科的筋切開部位に対する0.25%ロピバカインの単回または反復浸潤は、筋損傷と炎症を悪化させることはないが、0.5%ロピバカインの使用は、潜在的に筋損傷を増悪する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床において、鎮痛効果を期待して筋近傍や筋創部に局所麻酔薬が投与されている。局所麻酔薬の筋切開部位への投与は鎮痛効果を有するが、高濃度局所麻酔薬は、筋切開部の損傷・修復に影響を与える可能性がある。本研究の成果は、鎮痛効果と筋組織障害・再生のバランスを考慮した最適な投与濃度を検討するための、重要な資料となる。
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