研究課題/領域番号 |
20K09240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三澤 知子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20831390)
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研究分担者 |
森 厚詞 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (80771980)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 術後せん妄 / 老化促進モデルマウス / 神経伝達物質 / モノアミン酸化酵素 / モデルマウス / ミトコンドリア / アセチルコリン神経終末 / シナプトソーム / 認知予備力 / 術後高次脳機能障害 / ミトコンドリア機能 / 術後脳高次機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
「認知予備力」が低下しているといわれる高齢患者が好発する術後せん妄(POD)や術後高次脳機能障害(POCD)の病因・病態生理は未だ不明な点が多い。我々は、抗POD/POCD薬創出を目指す上で、「認知予備力の大小は、認知機能に関与する神経細胞が細胞障害性刺激を受けた際のミトコンドリア機能の脆弱性の度合いである」という仮説をたてた。本研究では、老化促進モデルマウスの様々な老化ポイントにおいて、POD様症状発現誘発処置後の行動変化発現の有無を観察し、大脳皮質や海馬を摘出する。組織からグルタミン酸神経やアセチルコリン神経のシナプトソーム画分を特異的に単離し、ミトコンドリア機能を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、イソフルラン全身麻酔下で開腹手術(「麻酔+開腹手術」)処置したP8系統の老化促進モデルマウス(SAM-P8)を利用し、術後せん妄様行動変化や神経伝達変化の解析とミトコンドリア機能異常発現の有無から、認知の予備力の解明を目指した。 「麻酔+開腹手術」処置6時間後のSAM-P8は、認知機能異常様の行動変化発現傾向を示したが、統計学的な有意差はなかった。前頭皮質と海馬の両方において、セロトニン代謝に関与するA型モノアミン酸化酵素の発現量と活性に有意な変化が観察された。脳内ミトコンドリア機能解析は検討途中となり、研究期間中に行うことはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外科治療を受ける高齢患者に好発する術後せん妄(POD)は、術後急性に発症する精神症状および意識障害を呈する一般的な術後合併症である。現状、POD予防・治療のための薬物療法は十分ではない状況にある。この発症にミトコンドリア機能の脆弱性が関与することを示すことができれば、ミトコンドリアに作用するPOD発症予防法・治療法の開発が期待される。また、そのような薬剤は、神経変性疾患治療薬への応用も考えられる。本研究では神経特異的なミトコンドリア機能評価系構築が途中までとなり、研究目的は達成できなかったが、本研究を継続することに価値と意義はあると思われる。
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