研究課題/領域番号 |
20K09247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 哲也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (50304952)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アドレナリン受容体 / カテコラミン / β遮断薬 / ホスホジエステラーゼ阻害薬 / 心室圧容積曲線 / アドレナリンβ受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
重症患者の急性期循環管理において、薬理学的循環補助法としてのカテコラミンは不可欠である。重症患者においては、心筋の被刺激性が高まっていることが多く、アドレナリンβ受容体の刺激による頻脈性不整脈の発生が循環動態を悪化させる一因となる。心拍出量低下を招く重症不整脈や致死性不整脈に対しては速やかな心拍数の制御が必要となるが、有効な抗不整脈薬の使用は限られている。カテコラミンでβ受容体を刺激する一方で、β遮断薬でβ受容体を遮断することの臨床的矛盾を解決するために、β受容体のサブユニットであるβ2受容体の活性に着目し、カテコラミンとβ遮断薬を併用した重症患者管理の薬理学的根拠を検証する。
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研究成果の概要 |
ブタおよびラットの生体モデルを用いて、β受容体選択性の異なる3種のβ遮断薬が、カテコラミンによる心機能の増強に与える影響およびG蛋白を介したシグナル伝達を評価し、薬理学的循環補助における心筋アドレナリンβ2受容体の役割を解明することを目的とした。 ランジオロールにおける左室収縮能・機械効率の抑制はプロプラノロールおよびエスモロールよりも有意に弱かった。PDEIに対する心収縮・機械効率はプロプラノロールおよびエスモロールよりもランジオロールの方で高い傾向にあった。プロプラノロールおよびエスモロールよりもランジオロールの方でPKAおよびAktの活性が高い傾向にあった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周術期、集中治療および救急等の急性期医療における重症患者の循環管理においては、心拍出量や血圧を維持するためにアドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミンおよびドブタミン等のカテコラミンを用いた薬理学的循環補助を行う。カテコラミンに代表される強心薬は心筋のアドレナリン受容体を介して強心作用を発揮するため、これらの重症患者においては、洞性頻脈、発作性上室性頻拍、心房細動、心房粗動等の心拍出量低下を招く重症不整脈や、心室頻拍、心室細動といった致死性不整脈を誘発するリスクが高く、頻脈性不整脈の薬理学的制御が重要な問題となる。重症患者の循環管理において、カテコラミンと併用できる抗頻脈薬が明らかとなる。
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