研究課題/領域番号 |
20K09278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
室谷 卓 関西医科大学, 医学部, 講師 (20528434)
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研究分担者 |
鍬方 安行 関西医科大学, 医学部, 教授 (50273678)
池側 均 関西医科大学, 医学部, 准教授 (80379198)
中村 文子 関西医科大学, 医学部, 助教 (80701721)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 補体 / 重症度 / 赤血球 / 敗血症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では敗血症患者の全血とその血液検査、バイタルサインなどの臨床データを用い、赤血球表面に沈着した補体成分の量から全身に起こった自然免疫の活性を推測し重症度や予後、合併症との相関を評価することを目的とする。研究期間内に1.敗血症患者において赤血球上に補体の沈着が有意に認められることを確認する。2.補体沈着を測定する患者の重症度スコアを用いて数値化し敗血症をきたしている基礎疾患、感染臓器、検査データなどとの関連があるかどうかを確認する。3.重症度や検査データなどで補体沈着との相関が認められた場合は赤血球の補体沈着量が予後、臓器障害の程度の予測式が成立可能かどうか検討する。
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研究成果の概要 |
救命救急センターに来院した敗血症患者,21名を解析し健常人と比較し赤血球表面上の補体成分C4d沈着が有意であり、SOFAスコアにおいてはC4dの沈着にやや相関が見られており敗血症患者における補体沈着が患者の重症度を予測できる可能性を指摘しうる結果となった。また、他の疾患と合わせると計86例の測定を行った。他疾患を合わせると疾患別の補体沈着の量に差は見られなかったが、患者の来院時のバイオマーカーである血清乳酸値などには相関関係が見られ、患者の重症度を示すAPACHE IIスコアやSOFAスコアにおいてもやや相関が見られ、赤血球上のC4dの沈着は患者の重症度を反映していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
補体成分C4dが自己の細胞である赤血球表面上に沈着していることは、補体がいちど活性化したことの足跡であると考えられる。それはまさに補体の活性化の証である。敗血症やその他の重症患者で補体が沈着していることを測定することにより、免疫の活性化の程度を定量することにつながる意義深い発見である。C4dの沈着は腎臓内の組織などの報告は多くあるが、赤血球表面上の沈着に対する報告は本邦にはごく少なく革新的であると考える。また、検体の採取という意味においても組織採取ではなく血液検査で検体が得られ、低侵襲であり患者への負担も小さく社会的に意義深いものと考えられる。
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